「こんなことになってしまい残念。ご遺族の方に申し訳ない」。転落したバスを運行していた東京都羽村市のバス会社「イーエスピー」の山本崇人営業部長(44)は取材に対し、厳しい表情で謝罪の言葉を述べた。同社には早朝から長野県警の捜査員が訪れ、国土交通省の特別監査も行われた。社員らは不安そうな表情を浮かべつつ、慌ただしく対応に追われていた。

 午前10時半すぎ、山本部長は詰め掛けた報道陣約50人の前に現れ、事故の経緯などを説明。山本部長によると、同社は2008年設立で、バス事業は一昨年5月から始めた。観光ツアーのほか、幼稚園やゴルフ場の送迎などを手掛けている。

 転落したバスに乗務していたのは57歳と65歳のベテランドライバー2人で、うち1人は顧客の評判が良く、指名を受けるほどだった。出発前の健康チェックやアルコール呼気検査で異常はなかったという。

 同社には長野県警の捜査員2人が訪れ、午前7時すぎから3時間近く事情聴取が行われた。昼すぎには、国交省の職員が同社に到着、特別監査に入った。