水樹奈々、μ’sに続く声優歌手の可能性は? 2016年は男性声優の1年か | ニコニコニュース

TVアニメ『おそ松さん』(テレビ東京系)のエンディングテーマ「SIX SAME FACES~今夜は最高!!!!!!~」は現在、累積売上9.7万枚まで伸ばしている
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 映画『ラブライブ!The School Idol Movie』が興行収入28億円を超えるなど大ヒットを記録、2015年、エンタメ界に大きな旋風を巻き起こした『ラブライブ!』。登場キャラクターたちによるアイドルユニット「μ’s」は、年末の『NHK紅白歌合戦』に声優としては唯一の出場となり、アニメ映像とリンクした演出も注目を集めた。しかし、3月の東京ドーム公演2daysが“ファイナルライブ”となることを発表。解散こそ否定しているものの、今後の活動がどうなるのか、明らかにされていない。こうした中で近年、声優の出場が続いていた『紅白』に、新たに出場する可能性がある声優は誰なのか? 現在のヒット傾向から考えてみたい。

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■J-POPと交わることがなかった声優アーティスト 垣根を越え人気に

 2000年代後半からのアニメブームに伴い、注目を集めるようになった声優による歌手活動。声優と並行してアーティスト活動を行う “声優アーティスト”の躍進や、『マクロスF』『けいおん!』といった作品に登場するキャラクター(声優)歌唱による“キャラクターソング”がヒットしたことで、今や珍しいものではなくなった。そのブームがアニメファンに留まらないものとなったのは、やはり2009年より6年連続で『紅白』出場を果たした水樹奈々の存在が大きいだろう。職業「声優」としての『紅白』出場は初、なおかつ演歌歌手を目指していた抜群の歌唱力を持っているとあって、老若男女、幅広い層に声優による歌手活動が浸透するきっかけとなった。

 こうした中、今では声優が歌手活動ありきでデビューするのが当たり前になっている。また、すでに一定の地位を築いている声優が、歌手活動に本腰を入れ始める事例も。キー局の音楽番組では、これまで共演することがなかったJ-POP歌手との共演も見られるようになったが、「アニメ」をテーマにしたもの以外の事例はまだまだ少ない。そういった意味では、水樹、μ’sはCDがほかの声優と比較して頭一つ飛びぬけていたことはもちろん、『紅白』決定前にNHK総合『MUSIC JAPAN』に出演するなど(水樹は番組ナレーションも担当)、予兆はあった。

 ではこれらを踏まえて、この2組に続き、『紅白』出場の可能性がある声優は誰なのか? ここ最近の話題やセールス傾向を見ていると、『おそ松さん』『あんさんぶるスターズ!』など、男性声優によるキャラクターソングCDが勢いを見せており、次は男性声優が来そうな気配だ。まずは、水樹と同じレーベル所属の男性声優・宮野真守。2008年より本格的な歌手活動をスタートし、地道にファンを増やす中で2011年に発売されたTVアニメ『うたの☆プリンスさまっ♪マジLOVE1000%』(自身もメインキャラクターの声優を務める)OPテーマ「オルフェ」を機にブレイク。2013年にソロ男性声優としては初の日本武道館での単独公演を行い、2014年11月、昨年9月には『MUSIC JAPAN』にも出演している。

■『おそ松さん』などで注目集める男性声優、鍵は大衆性?

 また、『ラブライブ!』のようにコンテンツとしてのヒットといえばやはり『おそ松さん』だろう。赤塚不二夫生誕80周年を記念し、言わずと知れた名作『おそ松くん』の六つ子が大人になったという設定でスタートしたアニメで、様々な話題を振りまき、現在、2クール目に入っている。パロディ満載のアニメ『銀魂』スタッフ陣が参加しているとあって、赤塚マインドともつながる“ギリギリ”のシュールな内容ももちろん魅力の一つだが、六つ子の声に櫻井孝宏(おそ松)、中村悠一(カラ松)、神谷浩史(チョロ松)、福山潤(一松)、小野大輔(十四松)、入野自由(トド松)と、現在活躍する中でもトップクラスの人気を誇る男性声優を起用し、女性ファンが増加。六つ子が表紙を飾った雑誌『PASH!』(主婦と生活社)、『アニメージュ』(徳間書店)は完売続出、緊急重版(『アニメージュ』は36年ぶり!)がかかる事態になった。

 また、六つ子の声優陣はそれぞれ歌手としても人気を集めている声優が多いが、彼らとイヤミ(同じく人気男性声優・鈴村健一が声を担当)によるEDテーマ「SIX SAME FACES~今夜は最高!!!!!!~」は現在、累積売上9.7万枚と、10万枚超えも射程圏内に。μ’sの一番売れたシングルが13.2万枚(μ’s/星空凛(飯田里穂)・西木野真姫(Pile)・小泉花陽(久保ユリカ)「Angelic Angel/Hello,星を数えて」)ということからも、その勢いが見て取れる。『おそ松さん』以外にも、ここ最近、アニメ化が決定している前述の『あんさんぶるスターズ!』、CD上位常連の「アイドルマスター」シリーズの女性向けゲーム『アイドルマスター sideM』といった作品の男性声優のキャラソンCDが軒並みヒットを記録しているほか、男性アイドルをテーマにし、キャラソンCDが好セールスを記録している『うたプリ』のTVアニメ第4期の放送も決定している。

 とはいえ、『ラブライブ!』はプロジェクト開始から2016年で6年、アニメ第2期終了から『紅白』出場まで約1年半空いていたことを考えると、ただ作品やグッズがヒットしているというだけでは厳しい。『ラブライブ!』は2014年頃より芸能人が相次いでファンであることを公言したり、映画の実績が数字として表れるなど、“大衆性”を持ったことが『紅白』出場へとつながった。そういった意味では、キー局の音楽番組出演を果たしている宮野や深夜帯ながら幅広い層に注目を集める『おそ松さん』の可能性は十分にある。2016年は男性声優の動きから目が離せない1年となりそうだ。