死にかけのメスを抱えるオスカンガルーの写真が感動的と話題に 専門家「オスが交尾迫っているだけ」 | ニコニコニュース

オーストラリア・ミュージアムのブログより
ねとらぼ

 オーストラリアで撮影された、カンガルーのオスが死にかけのメスの頭を抱きかかえ、すぐ側に子どもが佇んでいる写真。カンガルーが仲間の死を悲しむ感動的な写真だと海外で話題になったのですが、専門家が分析したところ、実際はオスがメスに交尾を迫っている姿だったことが判明しました。カンガルー・ロマンス、むごい形で消滅。

【メスを抱えこちらを見るオスカンガルー】

 英ガーディアン紙は1月13日、死ぬ直前のメスに彼女の子どもが見えるようオスが支えてあげた、悲劇的な写真だと報道。ほかにも撮影者のコメントをもとに、子どもは死に間際の母親を見つめて優しく触れていたなど、カンガルーに死を悼む心があったかのように紹介していました。

 この記事は誤解を生んでいると、オーストラリア・ミュージアムの主任科学研究員であるマーク・エルドリッジ博士。写真のオスは右腕を自ら舐めて濡らしているあたりからストレスがたまっていたほか、ペニスの状態からしても性的な興奮状態にあったと分析。カンガルーは発情には非常に敏感で、メスの頭を抱えたのは交尾したいがために立ち上がらせようとしたものであったと結論づけました。真実の追求は大変よろしいですが、世間の想像に比べて現実がちょっと生々しすぎたかな!

 幼い個体はおそらくメスの最後の子どもで、まだ乳をもらっている状態だったのではないかとのこと。ちなみにガーディアン紙も翌日には専門家の取材のもと、例の写真はオスが交尾を試みようとメスを殺してしまった光景かもしれないと、新たな記事を掲載しました。