ホンキで勉強する学生には好評 駿台「セクハラ」問題集は、そんなにアカンのか? | ニコニコニュース

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駿台文庫が昨年2月に出版した大学入試用の漢字問題集「生きるセンター漢字・小説語句」に、性的な表現が多数含まれていたとして、同書が販売停止となるなど大変な問題になっている。

問題集を執筆したのは、大手予備校「駿台予備学校」の現代文講師・霜栄(しも・さかえ)さん。この問題集でセクハラだ」とされたのは、以下のような内容だ(一部)。

「胸のデカさに俺はキョソを失った」
「彼女のなだらかなキュウリョウをうっとりと眺めた」
「きみのエキスをチュウシュツして飲み干したい」
「彼女の人生に俺という存在をコクインしたい」
「教授と私のミッセツな関係を誰にも気づかれてはいけない」
「ゆっくり奥までソウニュウしてください」

アマゾンのレビューには「この国の行く末が心配」と批判

確かにこれだけ見たら、真面目な人は呆気にとられ「はァ?」と怒ってしまうのも無理はないのかもしれない。何も知らずにこの問題集をアマゾンで購入した人らが、怒りのレビューを書き込んでいる。

「女性の体をネタにした問題文には信じられない気持ちでいっぱいです。この様な本が出版されたことを悲しく思います」
「ハレンチでお下品な言葉の数々に我が目を疑いました。この国の行く末が心配です」
「丘陵という漢字を覚えるのに、女性の股間から覚えるのが効率がいいとはとても思えない」

その一方で、これは大学受験に合格するという大きな目標を達成するための参考書でもある。「覚えやすい」「インパクトがあって良い」「怒っている人は過剰反応し過ぎ」という肯定派の意見も少なくない。

「当方、大学受験は10年ほど前だったがこんな参考書が欲しかった」
「非常に分かりやすい。これくらいのギャグが通じないと、社会に出ても(アカン)」
「結局のところ覚えられるかどうかが問題。これは発禁とかになるべきではない。何故なら印象に残るという意味ではすごく覚えやすいと思ったからだ」

確かに「挙措を失う」なんて、こんな問題でもなければ頭に焼き付けることは難しいのではないだろうか。ネットには「文句を言っている人は、その漢字を正確に書くことができたのだろうか」といった声もあった。

「昭和のおっさん臭さ」がダメという指摘もあるが

アマゾンには元駿台生で「霜先生の授業も受けたことがある」という人からのレビューもあった。その人によると、霜さんはユーモラスで授業も分かりやすい先生であるため、男子受けする例文を、あえて狙って作ったのではないかということだ。しかし、彼はこう続ける。

「公の出版物、しかも駿台文庫から発行するものに、このような女性が不快に思うような文章を入れるのはいかがなものかと思います。ターゲットは男子だけではないのです。不快に思う方が出てくるような例文を載せるべきではないでしょう」

霜さんの授業で、現代文がさらに理解できるようになったというこの人は、「このようなニュースで先生の名前を聞くことは残念でなりません」と悔しがっている。

しかし、そんなにアカンか? 筆者的には大いに好きだが(低俗でスンマセン)、やはりアカンのんか。中には「例文のエロが、昭和のおっさんくさくて加齢臭ぷんぷんのエロなので、気持ち悪い」という別の意味で「アカン」としている人の声もあった。

なるほど。おっさん臭がキモいのか。この人は問題の例文を読んで「エロい松潤とかエロい玉鉄とかが、キャラとして浮かび上がるようなら、こんな非難は受けなかった」と考察している。

ふかわりょう「大炎上ではなく、大爆笑となる世の中になれないのか?」

いかにもこのネタに食いつきそうな「5時に夢中!」(TOKYO MX)では、やはり1月13日、14日と続けて話題になった。この件について、コメンテーターらの意見はこうだ。

「問題集でしょ? 覚えやすくていいんじゃないですか? だって『キュウリョウ(丘陵)』って書けます? これで覚えると思いません? 不快とか言っちゃうと書くものすべてにおいてそうなっちゃう。(中略)寛大さがこの世に欠けてる」(江原啓之)
「確かに気持ちのいいものではないし、品の良いものではないけれども(エロトークバンバンの同番組に出てる時点で)我々はこれを攻撃できない」(中瀬ゆかり)

各局の街角インタビューでも、通りがかりの中年女性は眉をひそめていたが、当事者である受験生やその親からはおおむね好評だった。目的のための手段としては、その程度は許容範囲と思っているのだろう。

最後に司会のふかわりょうが「大炎上って記事にはなってますけど、これが『大爆笑』っていう世の中にはなれないんでしょうかね?」と言っていた。うん、そうなると良い。

霜さんとしては、「どうしても漢字を覚えさせたい!」という一心で作ったのだろう。そして、その熱意が「イキ過ぎた例文」になり、問題になってしまった。結果重視過ぎたのか。

でも、多少強引なやり方でも「結果を出させてくれる講師」って、需要がある気がするのだが。せめて問題集の表紙か帯に「こんなイキ過ぎた問題集、見たことない!」とか「親に見せたくない問題集ナンバーワン!」などと中身を匂わせるコピーを、あえてウリにして書いておけばよかったのに。「開けてビックリ」だったのが問題だったのかも。(文:みゆくらけん)

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