「どこでもドア」1000万円は超安い? 人生をかえる「想像力」の磨き方 | ニコニコニュース

そのドアの向こうに・・・
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ネットのニュースに、「どこでもドアが1000万円で売られていたら借金してでも買いますか?」というアンケートに対して、アラサー女子の7割以上が「買わない」と答えたという記事がありました(マイナビウーマン、2016年1月9日)。

この記事自体は、たわいのないおしゃべりの一環なのですが、「買わない派」の意見を読むと、ちょっと残念だなあと感じてしまいました。

これを使って人にサービスをすることで対価をもらう

買わない派の人は、「1000万円分も移動しない」とか「自分で航空券を買って海外旅行をした方が安い」とか「借金をしたくない」とかいう意見です。空想の世界なのに妙に現実的であるのと同時に、自分の生活の範囲内でしか物事を考えられなのだなと思わせる意見です。

1000万円の是非は、前提条件にもよってきます。

すでにどこでもドアがあちこちに完備されていて、お近くのコンビニで1回500円くらいで使えるのであれば、1000万円かけて自家用を買う必要はありません。

まあ、この問で想像されるのは、2016年のある日、いきなり机の引き出しから青いタヌキみたいなロボがでてきて「どこでもドア」を売ってくれるというイメージなので、それに乗っかってみましょう。

世界で唯一のどこでもドアであれば、これを利用した商売は無限に考えられます。

宅急便会社に売り込んだり、海運会社に売り込んだり、NASAに売り込んだり。物を輸送する企業だったら、何千億円出しても利用したいサービスであるはずです。

自分で利用することだけを考えず、「これを使って人にサービスをすることで対価をもらう」という考えができる人であれば、1000万円は恐ろしく安いということが即座にわかるはずです。

さらにいうと、このどこでもドアは世界を根本的に変えます。

量産化されれば、車や電車がなくなることはもちろん、道というものがほぼなくなります。そして、国境もまったく意味のないものになります。

「世界」の前提が変わる

さらにいうと、金庫なども意味がなくなりますので所有権というものもかなりあいまいになります。物体は盗まれることが前提の世界になるわけです。

また、いたずらで使う程度ならかわいいですが、ホワイトハウスに移動して大統領暗殺なんて事も朝飯前ですので、アンチどこでもドアフィールドが開発され、地球全体をそれで覆って、一部の公共空間だけどこでもドアが使えるようにしないと、使用を許可することはできないでしょう。

また、深海に繋いでしまったら、どこでもドアから水が押し寄せてきて地上が水浸しになりますし、宇宙に繋いでしまったら、空気が宇宙空間に放出されて人類が滅亡します(?)。なかなかやっかいな代物です。どこでもドア。

こんな風に無限に想像が広がるどこでもドアを、自身の通勤や海外旅行にしか当てはめられないのはちょっと残念だなと思ってしまうわけです。

黎明期のインターネットとの関係

こういう革新的な物に関して、すぐに面白いと思えるか、想像がつかないから手を出さないかということは、自身のキャリア、生き方につながっていきます。

例えば、インターネット。

20世紀終盤。まだ黎明期だったインターネットに興味を持ったか持たなかったかで、多くの人の人生は変わっています。今、成功している起業家の多くは、あのころインターネットにいち早く興味をもち、その可能性を信じて、それを使ったサービスを創り上げた人たちが世界を変えていきました

そんな大袈裟な話だけではなく、もうちょっとあとから「インターネットすごくね?」と気付いて、インターネット関連の企業に就職した人は、当時は倍率も低く入りやすかったし、初任給も高かったので、美味しい目にあえました。(私もその一人です)

なにか、新しいモノを見つけたときに、それはどんなモノなんだろう、どんな影響があるんだろう、それを使ってどんなことができるんだろうと想像するのは、非常にいい思考のトレーニングになります。それを繰り返していると、どの選択肢をとるのが得策であるかが分かってくるようになります。

そして、そういう想像をするためにはたくさんの経験を積むことが大切です。

本を読む、漫画を読む、映画を観る、旅行に行く、いろいろな人と話をする、新しいモノを食べてみる、商売をしてみる、なんでもOK。知識と体験の量が、想像力の源泉になってくるのです。

あなたは「どこでもドアが1000万円で買えるとしたら?」という問に対して、どんな想像を広げますか?

じゃ、そういうことで。

どこでもドアほどではないですが、かなり日本人離れした経験が積める研修プログラム、サムライカレープロジェクト。2/24に東京で無料説明会を行いますので、想像の幅を広げてみたい人は、ぜひどうぞ。(森山たつを)