バス会社、労基法違反の疑い=厚労省、書類送検へ捜査―転落事故 | ニコニコニュース

 15人が死亡した長野県軽井沢町のスキーバス転落事故で、事故を起こしたバス運行会社「イーエスピー」(東京都羽村市)が労働基準法などに違反していた疑いが強いことが20日、厚生労働省への取材で分かった。厚労省東京労働局は立ち入り調査の結果、悪質性が高いとみて、通常の行政指導ではなく書類送検に向けて捜査を進める。

 同社の高橋美作社長(54)は20日午前、報道陣の取材に応じ、時間外労働に関する労働基準法の「36協定」をドライバーとの間で締結していなかったことを認めた。その上で「私の知識不足。ほかで結んでいる部分があり、社員全員に適用されると思っていた」と釈明した。

 同社をめぐっては、複数の運転手が基準を上回る勤務時間で運行するなどずさんな実態が明らかになっている。厚労省は事故を受け、20日にも全国の貸し切りバス事業者で同様の法令違反がないかどうか緊急の集中監督を行うよう、全国の労働局に指示する。

 事故は15日午前1時55分ごろ、軽井沢町の国道18号の「碓氷バイパス」入山峠付近で発生。運転手を含む15人が死亡、26人が重軽傷を負った。長野県警がイー社など関係先を捜索して資料を押収しており、厚労省は資料を借り受けて分析し、関係者から事情聴取するなどして調べる。