『League of Legends』ライアットゲームズ公式リーグとなった“LJL”の新シーズンがスタート! 過去最大の規模で行われた開幕戦の模様をリポート | ニコニコニュース

文・取材:ライター バーボン津川 、取材・撮影:編集部 ミス・ユースケ

●ライアットゲームズ公式大会となった“LJL”

『League of Legends』(以下、『LoL』)の国内プロリーグ“League of Legends Japan League 2016”(以下、LJL 2016)の開幕戦が、2016年1月17日に東京・秋葉原UDX アキバ・スクエアにて開催された。

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 イベント開演とともに、ライアットゲームズでディレクターを務める齋藤亮介氏から、『LoL』の日本サーバーを使ったクローズドβテストについてのサプライズ発表が行われるなど、試合が始まる前から会場内はヒートアップ。なお、詳しい発表内容に関しては、以下の速報記事を参照してほしい。

※『League of Legends』日本語版クローズドβテストが2月上旬より開始! ライアットゲームズによる日本展開も発表!!

 LJLは今回より、開発会社であるライアットゲームズが直接主催する公式大会となり、出場する6チームは、1月から4月にかけて行われる“Spring split”、5月から8月にかけて行われる“Summer split”というBO3(先に2勝したチームが勝利)の総当たりのリーグ戦を戦うことになる。

 なお、今回、開幕戦が行われたSpring splitでは、優勝チームに世界大会“IWCI”(International Wild Card Invitational)への出場権が与えられる。国内最強の座を手にしたチームは、世界への挑戦権が得られるというわけだ。

 また、今シーズンより下位リーグとして新たに“Challenger Series”を開設。このChallenger Seriesを戦い抜いた上位2チームが、各splitごとにLJL本戦リーグの下位2チームとの入れ替え戦を行うという仕組みになっている。こちらも概要は以下の記事を参照してほしい。

※『League of Legends』日本語版クローズドβテストが2月上旬より開始! ライアットゲームズによる日本展開も発表!!

●いよいよ開幕戦がスタート! 気になる結果は……

 試合のリポートの前に、まずはLJL 2016の出場チームについておさらいしよう。以下の6チームが、LJL 2016 Spring splitの総当たりリーグ戦に参加するチームだ。

◆DetonatioN FocusMe

 LJL 2015年度シーズンの覇者。今シーズンより、世界でも屈指のハイレベルな戦いがくり広げられている韓国リーグ“LCK”から、新たに2名の韓国人プレイヤーが加入。さらに、元Rabbit FiveのZerost選手が加入し、昨シーズンでRampageに所属していたDragon氏をコーチに迎え、新たな体制でリーグに挑む。

◆Rampage

 LJL 2015年度のグランドファイナルで、DetonatioN FocusMeと激戦をくり広げた強豪チーム。AMUSE選手の脱退後、LJLの出場経験があるPaz選手が加入。昨シーズンでチームに大きく貢献した韓国人プレイヤーのTussle選手(Doad選手から名前を変更)、Dara選手もチームに残留。昨シーズンから大きなスターティングメンバーの変更はなく、優勝候補の一角となっている。

◆7th heaven

 2015年度のシーズン後、7th heavenがRabbit Fiveを吸収する形で合併。海外選手は所属していないものの、日本でも屈指の実力を誇るプレイヤーが集結するチームとなった。昨年行われた世界大会のAll Star戦でも活躍を見せたEvi選手を筆頭に、注目選手が多く所属している。

◆CROOZ Rascal Jester

 2014年のLJL発足時から第一線で戦い続ける古豪チーム。昨シーズンでは5位という結果になったが、今シーズンからはチームで初となる韓国人プレイヤーを採用。スターティングメンバーを大幅に変更し、布陣を大きく入れ替えてリーグに挑む。

◆Unsold Stuff Gaming

 2015年度のサバイバルマッチを制し、見事LJL昇格を果たした新規チーム。メンバーには、元7th heavenのClockday選手とEnty選手、元CROOZ Rascal JesterのapaMEN選手と、LJL経験者の名が連なる。今シーズンで初のLJL出場を果たすHaretti選手、isurugi選手も、NA(北米)サーバーで日本人ながら有数の活躍を見せるなど、新規参戦だが実力者揃いのチームとなっている。

◆BlackEye

 2015年度のサバイバルマッチを制して2016年度より新たにリーグに加わる新規チーム。サバイバルマッチ出場時とメンバーを大幅に変更。LJLへの出場経験も豊富なarford選手を中心に、実力者が集結。チームとしての爆発力は未知数だが、十分ダークホースになり得る存在だ。

 以上の6チームがLJL 2016に出場し、ROUND 10までの総当たりリーグに参加。上位3チームがプレイオフに駒を進め、4月2日に行われる予定のSpring splitのファイナルで世界大会出場権を懸けた戦いをくり広げることになる。

 では、ここからは開幕戦で行われた3組の戦いの模様をお伝えしていこう。なお、開幕戦では1日に3組の戦いが行われたが、ROUND 2以降はBO3での対戦が、1日にひと組ごとに行われていく予定だ。詳しいスケジュールは公式サイトのスケジュールを確認しよう。

※LJL公式サイト スケジュール

◆7th heaven(7h) vs Unsold Stuff Gaming(USG)

 1試合目は、SupportのEnty選手の活躍がめざましかった。つぎつぎとチャンスを作り出し、徐々に試合はUSGペースに。7hの構成がすべてAD(物理ダメージ)でダメージを出すチャンピオンということもあり、apaMEN選手が防具を揃えてからは無類の強さを発揮。序盤に作り出した勢いに乗ってそのままUSGが勝利した。

 2試合目でも、先にUSGが集団戦を制してペースを握る。しかし、7hもShinmori選手とYutoriMoyashi選手を中心にダメージを出し切って集団戦で押し返し、シーソーゲームのような試合展開に。試合終盤、集団戦に負け、倒すことでチーム全体に恩恵の大きいバフが手に入るBaronがUSGの手に渡ろうかというときに、Shinmori選手がチームの窮地を救う。ここから一気に7hペースとなり、2戦目を7hが制した。

 最終戦となった3試合目では、これまでの試合とは打って変わって7hがリードを奪う。序盤から終盤まで、終始7hがゲームを支配するような形で、そのまま試合を決めきった。

 結果、ROUND 1の7hとUSGの戦いは最終戦までもつれ込む接戦だったが、7hの勝利となった。USGは負けこそしたものの、強豪チーム相手に堂々とした戦いを見せつけた結果となっただろう。

◆CROOZ Rascal Jester(CRJ) VS BlackEye(BE)

 1試合目、序盤から各レーンでキルが発生するといった熱い展開に。しかし、チャンスを確実にモノにしていったCRJが、徐々に差をつけていく。そのまま着実にペースを支配していったCRJが1戦目の勝利を手にした。

 2試合目は、CRJが試合開始からTopとBotを入れ替える戦術で、タワーを破壊し合う展開に。序盤に強い構成のCRJは、そのままメンバーが集結して、つぎつぎとオブジェクトを狙う作戦を採用。その作戦が功を奏したのか、勢いに乗ったCRJが試合を制す形となった。

 CRJとBEの戦いは、CRJが強さを見せつけて2連勝。ROUND 1はCRJに軍配が上がった。

◆DetonatioN FocusMe(DNG) VS Rampage(RPG)

 昨シーズンのグランドファイナルで戦ったマッチアップということもあり、大きな注目を集めた組み合わせだ。

 1試合目は、キルが発生したものの20分経過時点で両チームともタワーが折れていないという、双方慎重な立ち上がりを見せた。そんな状態を崩したのはDNGだ。Midレーンで集団戦が起こるや否や近くの仲間が素早い寄りを見せ、人数差を作り出して有利な状況を作り上げた。そこからRPGも反撃を見せるが、DNGが集団戦を続けざまに勝利し、見事初戦を制した。

 続く2戦目では、序盤から小競り合いが発生しつつも、決定的なシーンが生まれない、1戦目にも似た緊張感溢れる展開に。そしてまたもや均衡を破ったのはDNGだ。チームのエースであるCeros選手を中心に、一瞬の隙を見逃さないようなすばらしいプレイでチームに貢献。そのままネクサス(本拠地)を破壊して勝利……かと思いきや、ここでもRPGが力強い粘りを見せる。驚異的な粘りを見せるRPGに対して、DNGは一時は攻めあぐねたものの、序盤で培ったリードを活かし、見事勝利した。

 DNGとRPGの昨シーズンのグランドファイナルの再来となる注目の一戦は、DNGの2連勝という形で幕を閉じた。

 以上で、当日の試合はすべて消化し、開幕戦のオフラインイベントは終了となった。

 なお、この開幕戦の模様は、Twitchやニコニコ生放送など、各動画サイトで配信が行われていたが、一時は視聴者数が13000人を超え、時間帯によっては、同日に行われていた中国のリーグ“LPL”よりも視聴者数が多かったという注目度の高さを見せつけた。コメント欄を見るかぎり、日本人の視聴者がもっとも多かったが、海外のプレイヤーによる多くのコメントも寄せられていた。このことからも、LJLが日本国内だけでなく、海外からも注目度が高い公式リーグということがわかるだろう。この勢いを衰えさせないためにも、日本チームが世界で活躍してくれることを願うばかりだ。

 なお、ROUND 2以降の試合は、オンラインで行われる。それぞれの組み合わせが、各日配信サイトで放映される予定だ。長きにわたって日本トップチームたちの白熱の試合が行われるので、興味のある人はもちろん、ゲームが好き、スポーツ観戦が好き、という人はぜひ鑑賞してみてはどうだろう。