教員ら5000人超が閲覧=検定内容、8割弱に謝礼も―教科書発行会社調査・文科省 | ニコニコニュース

 教科書を発行する三省堂が検定中の教科書の内容を校長らに見せて意見を聞き、謝礼を支払っていた問題で、文部科学省は22日、他の教科書会社を含めた調査結果を公表した。それによると、東京書籍など12社が教員ら計5147人に内容を閲覧させ、うち10社が計3996人に謝礼を渡していたことが判明。教育長らに物品を送った例もあった。

 調査対象は報告済みの三省堂を含む22社。教科用図書検定規則に違反した社は半数を超え、同省は「常態的と言え残念。罰則強化など再発防止に取り組む」とした。今後、各教育委員会に教員らの名簿などを送付し、謝礼受け取りの有無や教科書採択への関与を確かめ、採択結果への影響を調べる。

 三省堂の問題発覚を受け、同省は小・中学校の教科書を発行する会社を対象に、検定終了前に申請中の内容を外部に見せ、金品を提供するなど、検定や採択の公正性を損なう事案がなかったか内部検証を求めた。

 調査結果によると、内容を漏らす規則違反をしていたのは12社で、うち10社が現金や図書カードを謝礼として渡していたという。

 最も多いのは東京書籍で、2009〜14年度に小中の全教科で教員らにコピーを見せるなどし、計2245人に3000〜3万円の現金や図書カードを配布。同時期に教育出版は1094人に3000〜5000円の現金を、光村図書は463人に一律2万円を支払った。また、数研出版は教材執筆料込みで最高5万円を支出。採択権限のある教育長や教育委員計10人には中元や歳暮を贈っていた。