廃棄カツ、1枚100円に=「大手の製品、信用した」―複数業者経て消費者へ | ニコニコニュース

 産業廃棄物処理会社が処理を請け負った食品を横流ししていた事件で、最初に転売が発覚した壱番屋(愛知県一宮市)の冷凍ビーフカツは、複数の卸業者を経て小売店に並んだことが、県の調査や取材で分かってきた。業者らは「大手企業の規格外製品と言われ、信用した」などと釈明。異物混入を理由に廃棄されたカツだったが、1枚100円で売っていたスーパーもあった。

 愛知県などが調べているのは、壱番屋が昨年8、10月に産廃処理会社「ダイコー」(同県稲沢市)に廃棄を委託したビーフカツ約6万3000枚の流出先。製麺業「みのりフーズ」(岐阜県羽島市)に横流しされ、計20以上の卸業者が介在して弁当工場やスーパーなどに売却された。岐阜、三重を含む3県で、少なくとも3万5000枚が消費者に渡ったとみられる。

 取材に対し、ダイコーの会長(75)は弁護士を通じ、1枚30円で売却したと説明。みのりフーズの実質経営者(78)は、33円で転売したと話した。

 一方、名古屋市千種区の会社で食品を扱う男性は「みのりフーズから40円で仕入れた。安いカツがあると紹介された」と振り返る。男性から50円で購入した卸会社社長(71)は「段ボール箱は無地だったが、見本の箱には壱番屋の社名などが入っていた」と証言した。

 この卸会社がカツを売った食品スーパーでは、100円で販売し、昨年12月上旬に売り切れた。スーパーの社長は「大手の規格外製品だと言われ、味も見た目も問題なかった。賞味期限が近い食品が出回ることはよくある」と話した。

 卸会社社長は「口に入れる物なので、よく調べるべきだった」と反省。総菜に使った同市中川区の弁当販売会社の社長(64)は「お客さまにわび状を出した。仕入れ先とは取引を停止する」と厳しい口調で語った。