世にカレーは数あれど、「ダムカレー」というジャンルが存在することをご存知の方はいるだろうか？ 「ダム」＋「カレー」、そう、それがダムカレーである。ライスをダムに、カレールーを貯水池に見立てて皿の上に盛り付けたもので、数年前から全国的に増えだしたのだとか。「ダムカレー」で画像検索していただくと、だいたいどういうものかお分かりいただけるだろう。
さて、そんなダムカレーの中でも、女子大生が地域と連携して開発に携わった変わり種として注目を集めているのが「安威川ダムカレー」である。
大阪府茨木市内で現在建設が進められている「安威川ダム」のPRの一環として、茨木市や観光協会と梅花女子大学食文化学部の学生が協力しあって作り上げたこのカレー、茨木市内の「忍頂寺スポーツ公園 竜王山荘」内にあるレストラン「やまなみ」にて、2015年の10月末から2016年3月末までの期間限定メニューとして提供されている。
ダムカレーならではのちょっとした仕掛けもあるというので、ワクワクしつつ食べに行ってみることにした！
■温泉卵の黄身で「フラッシュ放流」を行えるカレー
JR茨木駅から路線バスで30分ほど山道を行った先に「忍頂寺スポーツ公園 竜王山荘」がある。宿泊施設や研修施設としても使用されるこの建物内にあるのがレストラン「やまなみ」。大人数が一度に食事できる広いホールのようなレストランである。
席につくなり早速ダムカレーをオーダー。席上を見渡すと、ダムカレーの食べ方の解説が置かれていた。
それによれば「安威川ダムカレー」には温泉卵がトッピングされているのだが、それを使って「フラッシュ放流」が行えるのだという。「フラッシュ放流」とは、ダムの下流の河川を自然な状態に保つためにあえて人口の洪水状態を生むために行う放流で……とまあ、ダムの専門知識は置いておいて、とにかく卵の黄身を放流させる方法が解説されていた。
それを読んでいるうちにやってきました「安威川ダムカレー」！ ドライカレーの堤防がカレールーをしっかりとせき止めているというそのルックスはインパクト大。
美しい盛り付けにしばし見とれ、気をとりなおして「フラッシュ放流」を試してみることに。スコップ型のスプーンで、おそるおそる温泉卵に切れ込みを入れ、手前側、にんじんとナスで作られた「洪水吐」に黄身を放流させる！
上手にできた！ 食事の途中でこんな種類の感動を味わったのは初めてかもしれない。思わずはしゃいでしまった。これは楽しい。
■味もボリュームも大満足の「安威川ダムカレー」
さて気になるお味だが、クリーミーなカレーのルーを温泉卵がさらにマイルドにしてくれて、とてもまろやかで美味しい。しっかりと固められたドライカレーと柔らかなルーが混ざり合ってとても美味である。辛みはそれほど強くなく、子どもでも安心して食べられそうだ。具はにんじんとナス、ブロッコリー。別皿で福神漬けとらっきょうもついてきて、スープ、サラダもセットになって900円。リーズナブルでボリュームもたっぷり。
さらに、この「安威川ダムカレー」には「ダムカレーカード」がついてくる。
そんなカードが存在するということを筆者は初めて知ったが、「ダムカード」と同様に全国に数種類が存在し、コレクションすることができるものらしい。なんだか貴重なものをもらえた気分で嬉しい。裏面にはカレーの解説が、「パセリの広場から見上げるライスフィルダムはドライカレーで築造」といった真面目な調子で記載されていて面白い。
「安威川ダムカレー」の提供は2016年3月31日までの予定で、一日限定20食となっている。お店の方によれば、平日であれば売り切れる心配はそれほどないとのこと。とはいえ、遠方から食べに来る方も多いらしいので、どうしても食べたい方は事前に確認することをおすすめしたい。「教えて！goo」では「今まで食べた変わり種カレーは？」ということでみんなの意見を募集中だ。
【店舗情報】
店舗名：レストラン「やまなみ」
住所：大阪府茨木市大字忍頂寺1049番地
営業時間：午前11時～午後14時まで 午後17時～午後21時まで（予約制）
教えて！goo スタッフ（Oshiete Staff）