パーキングエリアで1番ウマい料理はどれだ!? 高速道路No.1グルメが決定! | ニコニコニュース

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長時間の旅には欠かせない高速道路のオアシス、サービスエリア(SA)やパーキングエリア(PA)。近年では、地元の食材を生かしてその土地ならではの個性を出し、地域の活性化にも一役買っているという。

果たして、どこのメニューが一番ウマいのか? そんなシンプルな疑問に答えるべく1月23日、都内にて「SA・PAメニューコンテスト全国大会」が行われ、各地の料理が一堂に会した。

この決勝は、全国のSA・PAのレストランなど158店舗から予選を勝ち抜いた12店舗が優勝を競う。審査基準には、「美しさ、料理としてのバランス」「彩り、盛り付け、器のこだわり」や「コストパフォーマンス」などが設けられ、審査委員は「料理の鉄人」でおなじみの四川飯店オーナーシェフ・陳建一氏をはじめ、料理研究家・白井操氏や「関東・東北じゃらん」編集長・森田拓朗氏など6名が務めた。

審査前には、審査委員が各調理場を周り、素材や調理方法について料理人に質問する一幕もあった。西から東まで、オリジナリティのある手法に陳氏も感心する。

実食が始まると、各SA・PAの料理長らが審査委員へこだわりのポイントをアピール。なかにはご当地キャラとともに登場し、場を盛り上げる出場者の姿もあった。

表彰式では、出品者を改めて紹介した後、審査員特別賞(3品)、準グランプリ(2品)、グランプリ(1品)が発表された。

準グランプリは、東日本・常磐道 Pasar守谷(上り)の「茨城イタリアン フルコース ファンタジーな料理の世界」(2,980円)と、西日本・山陽道 下松SA(上り)の「~やまぐち 味百景~」(1,850円)が獲得した。

「ファンタジーな料理の世界」は、常陸牛、ローズポーク、つくば鶏など、地元を代表する食材を使用し、驚くべきは茨城県名産のアンコウをイタリアンの調理で仕上げている。

「~やまぐち 味百景~」は、あえて名産のふぐを食材から外し、地元でしか知られていない魚「平太郎」をバジルオイル漬けに仕上げたり、プリプリとしたイカと色鮮やかなネギのぬた、大根と豆腐をやわらかく煮たけんちょうなどを提供した。地元・山口県の自然を表現するため、各スタッフが普段、家庭で食べている料理を持ち込ってメニューに仕立てたという。コンセプトは、「食べることで山口の自然豊かな情景がまぶたに浮かんでくれば」とのことだ。

そして、栄えあるグランプリを受賞したのは、中日本・北陸自動車道 有磯海SA(下り)のホテルニューオータニ高岡が披露した「越中とやま 食の玉手箱“旅のしおりに想いを込めて”」(3,200円)。今大会ではもっとも高価格で、コストパフォーマンス面で大きく遅れをとるものの、それをくつがえす味と工夫で審査委員たちをうならせた。

1皿に盛られたおもてなしの4品「五箇山豆腐の中華風」「バイ貝と生ハムのマリアージュ」などの後には、大きな器に盛られた3段重がテーブルに並ぶ。お椀には、2種の味わいが楽しめる「国産サーロインのロティと黒部名水ポークの煮込み」や「鰤、甘エビ等の鮮魚のカルパッチョ」など富山の味が満載だ。

特に審査委員が「うまい!」と絶賛したのが、デザートの「杏仁プリン デザート付き」で、陳氏からも「レシピ教えて」と軽口が飛び出した。

グランプリの受賞が発表されると、料理長の畑謙太郎さんは思わずガッツポーズを決める。畑さんは「最高の賞をいただきありがとうございました。現地で待っている仲間たちに早くこのことを知らせてあげたい。これからも高速道路を盛り上げていきたいと思っています」と受賞の喜びを口にしていた。

グランプリは逃したものの、他の料理も従来のパーキングでの食事のイメージをひっくり返すクオリティだった。たまたま立ち寄るのではなく、「あそこ美味しいのよ」と、食事会の場所として集う。これからのSA・PAはそんな使い方もできるかもしれない。