日銀は29日の金融政策決定会合で、マイナス金利政策の導入を柱とする追加金融緩和を賛成5人、反対4人の賛成多数で決めた。金融機関が日銀当座預金に必要分を超えて新たに預け入れる際の金利(付利)を現行の0.1%からマイナス0.1%に引き下げる。2月16日から適用する。

 2013年4月に導入した現在の量的・質的緩和政策下での緩和策強化は、14年10月末に続き2回目。金融市場の動揺に端を発した景気の悪化を阻止するのが狙い。国債や株価指数連動型の上場投資信託(ETF)など資産の買い入れ方針は現状維持とした。

 決定会合後に公表した「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」では、原油安を踏まえ、2%の物価上昇目標の実現時期をこれまでの「16年度後半ごろ」から「17年度前半ごろ」に先送りした。目標実現時期の先送りは3回目。16年度の消費者物価上昇率の見通しは前年度比0.8%(従来1.4%)に下方修正した。