シャープは4日、取締役会を開き、台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業に再建支援で優先交渉権を与える方針を決めた。2月中の交渉合意を目指す。鴻海はシャープを事実上、買収。事業売却はせず、「シャープ」ブランドを維持し、雇用も確保しながら再建を目指す方針だ。

 鴻海の支援総額は7000億円で、成長資金として5000億円を投じる。シャープ幹部が5日に台湾に入り、鴻海と具体的な協議に入る。

 シャープの高橋興三社長が4日午後の2015年4〜12月期決算発表の記者会見で表明する。

 シャープ支援をめぐっては、政府系ファンドの産業革新機構が3000億円規模、鴻海が7000億円を出資する支援案をそれぞれ提示していた。再建の実現可能性や経済合理性などを総合的に判断した結果、革新機構の約2倍の資金を提示し、主力取引銀行にも大きな追加負担を求めない鴻海案が支持を得た。