川崎市の中学１年上村遼太さん＝当時（１３）＝殺害事件で、殺人などの罪に問われたリーダー格の無職少年（１９）の裁判員裁判は２日午後、横浜地裁（近藤宏子裁判長）で続き、弁護側の被告人質問が行われた。
少年は、上村さんを呼び出した後、仲間の少年２人（いずれも１８歳）の前で引くに引けず、「どうすればいいか分からなくなり、雰囲気に流された」と殺害に至った経緯を説明した。
仲間２人を「巻き込んでしまった」と話す一方、「一人だったらやっていない。気持ちが大きくなり、その場の雰囲気もあった」と語った。
少年は、他の少年２人も実際にカッターナイフで上村さんを切ったほか、自分らが上村さんに２度にわたり裸で川を泳ぐよう強要したと説明。上村さんは次第に衰弱していったという。
最後に「痛い思い、怖い思いをさせ申し訳ない。上村君を忘れず、背負っていく」と述べた。少年は終始小声で、裁判長が聞き直す場面が何度も見られた。
検察側はこれに先立ち、傷害致死罪で起訴された仲間の少年１人の供述調書を朗読。事件後に近くの公園の公衆トイレで上村さんの衣服を焼き、３人で口裏合わせをしたと指摘した。
少年の弁護人は閉廷後に取材に応じ、「少年の成育環境や人間関係に端を発した事件だ」と述べた。少年を取り巻く状況を明らかにするという。
３日は検察側の被告人質問などが行われる。