国連次第で大使館退去・逮捕も=アサンジ容疑者が声明―英 | ニコニコニュース

 【ロンドン時事】内部告発サイト「ウィキリークス」創設者で、英警察の逮捕を免れロンドンの在英エクアドル大使館に3年半にわたり逃げ込んでいるジュリアン・アサンジ容疑者(44)は4日、声明を出し、同容疑者の状況に関する国連の作業部会の判断次第で「大使館を5日正午(日本時間同日午後9時)に出て英警察の逮捕を受け入れる」と表明した。

 アサンジ容疑者は2014年9月、英スウェーデン両国により不当な軟禁に追い込まれていると国連に申し立て、「恣意(しい)的拘束に関する作業部会」が当否を検討していた。

 アサンジ容疑者は声明で、国連が自身の現状を合法と判断した場合「それ以上争っても、もう意味のある展望は開けない」と行き詰まりを認めた。一方で「両国の行為が違法だと判断されれば、私の旅券をすぐに返し、逮捕の試みに終止符を打ってほしい」と訴えた。

 作業部会は5日に報告を発表する。ロイター通信によると、スウェーデン外務省は4日、報告について、アサンジ容疑者の主張を認める内容だと明らかにした。ただ、作業部会の結論に法的拘束力はない。同容疑者は両国への非難を強める根拠を得るものの、大使館滞在を続けざるを得ないとみられる。

 アサンジ容疑者に対しては、スウェーデン当局が強姦(ごうかん)容疑で捜査し、身柄引き渡しを求めている。同容疑者は、スウェーデンから米国へ引き渡されるのを恐れ、12年6月にエクアドル大使館に駆け込んだ。大使館の周囲を英警察が見張る中、大使館で暮らし続けている。