「許せない」「遼太を返して」=上村さん両親ら陳述―横浜地裁

 殺害された上村遼太さん=当時(13)=の両親と祖父が4日、横浜地裁の公判で意見陳述し、「(被告の少年を)絶対許せない」「遼太を返して」と悲痛な胸中を訴えた。

 父親は、上村さんが暮らしていた島根県・隠岐諸島の西ノ島在住。昨年1月、上村さんと川崎市で最後に会った際、夏に再び島で会う約束をしたと明かし、「島には遼太の帰りを喜ぶ友達がたくさんいた。でももう帰ってこない」と涙で声を詰まらせた。

 「息子の苦しみを想像すると気が狂いそうになる」と吐露。「絶対に許せない。できるならこの手で敵を取ってやりたい」と怒りをあらわにした。

 母親は「かわいくて仕方なかった。もう触れることも抱きしめることもできないと思うと悲しくてたまらない」とタオルで顔を覆い、「少年に言いたいのは『遼太を返してほしい』だけ」とおえつ交じりに話した。

 祖父は「いつ立ち直れるか分からない」と遺族の悲しみを強調した。

 耳を赤くし、うつむいたまま聞いていた少年は、最終意見陳述で「話を聞いてどう答えていいか分かりませんでした」とか細い声で話した。