Hack.Summit()2016の告知

2014年12月に開催されたhack.summitの成功を受けて,HackHands創設者のEd Roman氏は,第2回のイベントを2016年2月に実施すると発表した。初回のイベント(InfoQでもこちらで紹介している)では,64,000人のバーチャル参加者によって,Women Who Code, Black Girls Code, Code.orgなどに50,000ドルを越えるチャリティがあった。

InfoQはEd Roman氏に2016年のイベント計画について聞いた。

InfoQ: hack.summit()イベントの目的は何ですか?

hack.summit()はプログラミング関連のNPO(nonprofits)の資金調達という目的に,世界で最も有名なプログラミング言語のクリエータ,オープンソースのコントリビュータ,思想的指導者たちが協力するバーチャルイベントで,2015年2月22日に100%オンラインで実施されます。イベントのWebサイトはhttp://www.hacksummit.org です。

hack.summit()のミッションは,Code.org, Women Who Code, Black Girls Code といったNPOの活動資金を調達することにあります。チケットの売上はすべて,プログラム関連NPO(coding non-profit)に移管されます。

昨年のhack.summit()には64,000人の開発者の登録があり,バーチャルカンファレンスとしても,プログラミングのカンファレンス(物理的とバーチャルを問わず)としても過去最大のものになりました。

InfoQ: このイベントのユニークなところは何ですか?

hack.summit()は実験なバーチャルカンファレンスとして,2014年に企画されました。これまでは,本当の意味で成功したバーチャルカンファレンスは存在しませんでした。 初期には3Dバーチャルワールドを通じた実世界の模倣が試みられましたが,動作が鈍い上に,ブラウザの互換性という問題を抱えていたのです。私たちはこのことを調査した時に,テクノロジは必要ないという結論に至りました。人々が本当に望んでいるのは,ビデオチャット環境で講演者から学ぶことなのです。このイベントの企画に着手したのは,そのような理由からです。

私たちが何らかのイニシアティブを受け入れる場合,それが社会起業家的な要素を持っていることは重要です。ですからこのイベントも,ソフトウェア関連NPOへの募金運動という形式を採用することにしました。彼らの多くが,プログラマ間の多様性という問題と戦っているからです。

それと同時に,誰でも参加できるイベントにしたいとも思っていました – そのためにチケット代ではなく,参加者の選択したプログラム関連NPOに対する任意金額の寄付,という形にしたのです。寄付する立場にない人は,寄付者を募るツィートで寄付を行うことも可能です。つまりこのイベントには,収入の多寡に関わりなく参加できるのです。

当初私たちは,5,000人程度の参加者を予想していました。ところがすぐに急増して,最終的には64,000人にまで達し,これまで開催されたプログラマのイベントとして最大のものになりました(Microsoftの全カンファレンスの合計数より多いのです)。この結果には大変驚きました。そして,バーチャルイベントこそ私たちの未来であると思うに至ったのです。また,善良な社会的使命が素晴らしい結果をもたらした実例でもあります。

InfoQ: 2月のイベントで予定されている講演者と,その講演内容について紹介してください。

講演者はすべて,こちらから招待するようにしています。David Heinemeier Hansson(Ruby on Rails開発者), Orion Henry(Heroku創設者), Nathan Marz (Apache Storm開発者), Kent Beck (creator Extreme Programming開発者, Agile開発者の一人で9冊の著作を持つ), Tom Chi (Google Glass開発者), Rebecca Parsons (ThoughtWorks CTO), Yehuda Katz (Ember.js開発者), Brian Fox (GNU Bash Shell開発者), Jon Skeet (StackOverflowの#1回答者), Dries Buyataert (Drupalプログラム言語開発者), Qi Lu (Microsoft EVP), Rod Vagg (Node.jsのTechnical Chair兼Core Committer), Sarah Allen (After EffectsとFlash Videoの共同開発者, 現在はPIF(Presidential Innovation Fellow))など,コンピュータサイエンスの世界的な貢献者たちです。 基調講演レベルの講演者によるオールスターリストです – 移動を必要としない完全にバーチャルなこのイベントだからこそ実現できた,前代未聞のプログラマイベントなのです。

参加する開発者は,ソフトウェア・エンジニアリングやオープンソース,Web,モバイルプログラミングの概念など,さまざまな知識を業界のリーダから得ることができます。誰にとっても学ぶべき何かがある,本当の意味で幅の広いイベントです。ITプロフェッショナルやエンジニアが主な対象ですが,イベントの参加に特別な経験は必要ありません。

InfoQ: イベントはどのような形式なのでしょう – 参加や協力はどうやって行われるのですか?

イベントは太平洋標準時間(PST)の昼間に実施されます。トラックはひとつしかありません。すべての講演者が基調講演レベルで,すべての参加者の注目に値するものだからです。参加者はテキストチャットを使って講演者に質問したり,他の参加者と会話したり,あるいは講演者からの調査に答えることで,講演に参加することができます。場合によっては私たちが,講演者とのビデオチャットを通じて,参加者にカメラを回すことがあるかも知れません。

InfoQ: どれ位の人たちが参加可能なのでしょうか,登録者は何人まで受け入れられるのですか?

同時参加可能な人数は,理論的には無制限です。昨年のイベントで最大のセッションには,18,000人以上の参加者がありました。今回のイベントでは,この記録が破られることを期待しています。

InfoQ: これほど多くの参加を可能にするために,どのような技術が使われるのでしょう?

バーチャルカンファレンスの技術提供に関しては,Crowdcast.ioと提携しています。Crowdcast以前には優れた技術的ソリューションが存在しなかったので,彼らのインキュベーションを支援したのです。当初Crowdcastは個人企業でしたが,私たちのイベントに対応するために規模を拡大しました。結果は信じられないほどで,講演者たちもみな,その創設者の技術を称賛しています。

InfoQ: イベントの資金はどのように集められて,どこへ移行されるのですか?

チケットの売上は全額がパートナのNPOに引き渡されます。イベント自体は,オンラインで開発者教育を提供しているPluralsightが実施しています。hack.summit()のミッションとPluralsightのオンライン開発者教育のミッションがうまく適合していることから,このイベントの主幹企業になるというのは,同社にとって自然な選択です。

InfoQ: hack.pledge()について教えてください。どれほどの人たちが宣誓していて,どのような効果があるのでしょうか?

hack.pledge()(http://www.hackpledge.org )は,世界中のソフトウェアの品質を向上させるために,開発者同士が1時間,お互いを指導しようという運動です。必要な時に互いを指導することで,世界中でソフトウェア開発の品質と速度を向上し,ソフトウェア開発の技術習得を助け合うことができます。hack.pledge()に財務的なビジネスモデルはありません – これは活動なのです。私たちはこの運動を,指導者と被指導者を結ぶインフラコストの面から支援しています。プログラム言語の開発者や大手ハイテク企業を含む11,000人以上の開発者が,すでに宣誓にサインしています。

InfoQ: hack.summit()で実施されるバーチャルハッカソンについて教えてください。

昨年のKodingで世界最大のバーチャルハッカソンが開催されて,大成功を収めました。彼らは,hack.summit()での非営利開発に対する私たちのミッションに触発されていたので,今年のhack.summit()にバーチャルハッカソンとしてコントリビュートすることに合意してくれたのです。私たちはこれらのイベントを,ソフトウェア開発者のバーチャルな集まりとして最大のものにするため,協力して作業を進めています。共同イベントでは,世界のトップレベルのソフトウェア開発者(例えばxxxx)の声を直接聞く機会を提供するだけでなく,開発者が100,000ドルの特賞を競い合ったり,ソフトウェア関連NPOの資金調達も実現します。ハッカソンは2016年の2月20日と21日に実施されて,勝者はhack.summit()の終了時に,特別なイベントのグランドフィナーレとしてライブで発表される予定です。ハッカソンへの登録は現在受付中です。