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脳とコンピューターが直結する?

SF映画の世界では、脳に小さなチップを埋め込んだり、後頭部に取り付けられたコネクタにケーブルを接続したりして、脳とコンピューターが情報交換する場面が登場する。

しかし、この様な場面が、実現するかも知れないとしたらどうだろう。

まさか、と思うかもしれないが、科学技術の開発では最先端にいる有力な機関がこの開発を進めることを発表したのだ。

DARPA(アメリカ国防高等研究計画局)である。

これは本当に実現するかも知れない。

脳とデジタルデバイスが繋がることで見える可能性

1月19日にDARPAは、人間の脳とデジタルデータをやりとりするための、脳への埋め込み型神経インターフェイスを開発することを発表した。

このインターフェイスによって、脳内の神経細胞とデジタル信号を変換して通信できるようにするという。

埋め込むデバイスは1立方センチメートルに満たないサイズで、丁度コインを2枚重ねたような生体適合性のあるものを目指すとしている。

この技術はNESD(Neural Engineering System Design:神経エンジニアリング・システムデザイン)として、新しい治療法に役立てられる予定だ。

NESDのプログラムマネージャーであるPhillip Alvelda氏に言わせれば、「現在の脳とコンピューターのインターフェイスシステムは、まるで2台のスーパーコンピューターを、古い『300-baud』のモデムで繋いでいるようなものだ」という。

これをNESDによる高速通信に変えることができれば、何ができるか想像してほしいと氏は続ける。

例えば、聴覚や視覚が衰えたり障害がある人に、高感度の聴覚と高解像度の視覚を与える事ができるかも知れないという。

NESDでは、最大100万のニューロンと通信できるシステムを目指して開発されるからだ。

そのためには、神経科学、構成的生物学、低出力電子機器、フォトニクス、医療装置包装などの分野における統合的なブレークスルーが必要だとしている。

脳とコンピュータが直で情報交換できる時代へ

課題はハード面だけではない。ニューロンと電子間で情報を翻訳するための高度な数学的研究も必要になる。

これからNESDでは、この先端技術の開発に興味の有る工業投資家を集め、研究結果を商業ベースで利用する権利の提供も検討しているようだ。

いよいよ、脳とコンピュータが、直で情報交換できる時代に動き始めた。

【参考・画像】

※ Bridging the Bio – Electronic Divide

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