ジュネーブで16日に開かれた国連女子差別撤廃委員会の対日審査で、杉山晋輔外務審議官が行った慰安婦問題の説明に対し、朝日新聞社は19日、「根拠を示さない発言」で遺憾だと、外務省に文書で申し入れたと明らかにした。杉山氏は、韓国で女性を強制連行したと主張する故・吉田清治氏の証言を朝日新聞が報じ「国際社会に大きな影響を与えた」と説明した。

 朝日新聞は18日の申し入れで「吉田氏の証言を虚偽と判断し、関連記事を取り消した。こうした事態を招いたことは大変重く受け止めている」と説明。一方で国際社会への影響は、慰安婦報道を検証した第三者委員会でも見解が分かれており、杉山氏の発言は根拠がないと主張した。