「やっぱり」「交渉継続を」=被害者家族に憤りと焦燥感―北朝鮮、拉致再調査中止で | ニコニコニュース

北朝鮮が拉致被害者の再調査中止を発表したことを受け、横田めぐみさんの母早紀江さんが13日、川崎市内で取材に応じた。早紀江さんは「やっぱりやったなという感じだ」と落胆した様子で話した。【時事通信社】
時事通信社

 「いつもだまされ、怒り心頭だ」「少しは期待していたのに」。北朝鮮が拉致被害者の再調査を全面中止すると発表してから一夜明けた13日、被害者家族は落胆し、憤りの声を上げるとともに、焦燥感もにじませた。被害者とその家族の高齢化が進む中で、政府に対しては一刻も早い被害者の帰国に向けた交渉を続け、全力を尽くすよう訴えた。

 横田めぐみさん=拉致当時(13)=の母早紀江さん(80)は「やっぱりやったなという感じだ」と落胆した様子で話した。早紀江さんは、日本が北朝鮮に拉致問題の解決を求めても「その都度不誠実な態度を取られてきた」と振り返った。

 「けんかがしたいわけじゃない。家族としては『元気に帰してください』と、それだけ」と早紀江さん。政府に対し「しっかりした姿勢を崩さず、世界と連携して対話してほしい」と求めた。

 市川修一さん=同(23)=の兄健一さん(70)は「いつもだまされ、約束をほごにされて怒り心頭、憤怒の思いでいっぱいだ」と憤りをあらわにした。一方で「拉致被害者も家族も高齢化しており、一刻も早く解決しなければならない問題だ」と焦燥感もにじませた。政府に対しては、「言うべきことを言って、ぶれない対応をすることが一番重要だ」と訴えた。

 増元るみ子さん=同(24)=の姉平野フミ子さん(66)は「再調査は茶番だと分かっていたが、家族としては少し期待していたのでショックだ」と声を落とす。「私たちは40年待っている。毅然(きぜん)とした態度で対応してほしい。制裁を緩めたら相手の思うつぼだ」と語気を強めた。