10分で2倍のカロリーを摂取していた? 散らかったキッチンと体重の関係とは?(最新研究) | ニコニコニュース

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TOCANA

 米科学系情報サイト「Science Daily」(2月3日付)は「女性は、散らかったキッチンにいるときのほうが、キレイに片付いたキッチンにいるときより、クッキーを2倍多く食べてしまう」と報じている。


■散らかったキッチンでは間食が2倍に

「食」に関する人間の消費行動を研究している米国コーネル大学のFood and Brand Lab(食品・商標研究所)は、このほど興味深い研究をおこなった。それは「散らかった場所(この場合、キッチン)にいるとき、人は間食に対してどのような行動をとるのか」というものだ。

 実験は、同大学の101名の女子学生を2グループに分け、それぞれひとりずつを対象におこなった。

 Aグループの女性には、散らかったキッチンで人を待つよう指示を出す。そこは新聞が乱雑に積み上げられ、シンクには汚れた皿の山、そして電話が鳴りっぱなし……。Bグループの女性には、同一のキッチンではあるが、整理整頓が行き届いた静かな空間を与える。すると、Aグループのほうが、Bグループよりクッキーを10分間で65キロカロリー多く摂取し、結果として2倍以上食べたことが判明した。

「無秩序な環境下に置かれ、さらに自力で状況をコントロールするのが難しいと感じたとき、ダイエットは挫折しやすくなります。なぜなら『なにもかもがメチャクチャ。だったら、アタシだって!』という思考へつながりやすいからです』と話すのは、現在、オーストラリアのニューサウスウェールズ大学で心理学の准教授を務めるレニー・ヴァーテニアン博士だ。博士は今回の論文の筆頭著者であり「私の推論では、男性にも起こり得ることだと考えています」とも述べている。

 また、キッチンに入る前に被験者は、過去に自分で「コントロールできなかった出来事」と「コントロールができた出来事」のどちらかを選んで書き出す作業にも協力している。すると、雑然としたキッチン(Aグループ)で、コントロールできなかった体験を思い出した被験者はクッキーを103キロカロリー食べたのに対し、コントロールできた体験を思い出した被験者は38キロカロリーに留まる結果となった。

 これにより、女性にとってキッチンがカオス状態だと非常に精神的負荷がかかり、それが引き金となって、ついつい間食してしまうという負の連鎖が明らかになった。つまり、ストレスからくるヤケ食いだ。そして「セルフコントロールができている、できていない」という個人の精神状態も、間食との関わりに影響を及ぼすこともわかった。なお、どちらのグループにもクッキー以外にクラッカー、ニンジンが提供されていたが、散らかったキッチンでは誰もクラッカーやニンジンに手を伸ばさなかったという。

「キッチンでつまみ食いや間食をしてしまう人は、瞑想で精神の安定を保つことがおススメです。でも、一番カンタンなのは、キッチンを常にキレイに保つことではないでしょうか」と語るのは、共著者であるFood and Brand Labの所長、ブライアン・ワンシンク氏だ。彼は日本でも『そのひとクチがブタのもと』(集英社)でおなじみだ。

 散らかっているキッチン=太りやすいキッチン、ということだろう。痩せたいなら、毎日使うキッチンをキレイにするだけ――今日からでも実践できるダイエット法になりそうだ。
(文=佐藤Kay)