松本人志の意見に共感? CMやワイドショーでの需要が高まる背景 | ニコニコニュース

『ワイドナショー』での発言がニュースになる松本人志 クランクイン!
クランクイン!

 ダウンタウンの松本人志。かつては数多くの女性芸能人と噂され、独身貴族やプレイボーイと称されていた。また、笑いの天才だけあって近寄りがたいイメージもあった。それが現在、松本がコメンテーターを務めるワイドショー『ワイドナショー』が放送されるや、同番組内での発言を使った記事が作られるなど、今やご意見番的存在となっている。さらに、最近では日本郵便CMでは“バカまじめ”な郵便局員を演じている。何をきっかけに、現在のポジションに至ったのだろうか。

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 ある芸能ライターは、こう話す。「テレビの発信力が衰えているなかで、彼には『ダウンタウンのごっつええ感じ』や『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!』といったお化け番組の実績があるため、それが視聴者の頭に“レガシー”として強く印象付けられ、テレビの世界の“レジェンド”として、発言に説得力があるんだと思います」。

 また近年、“おまゆう”という言葉があるが「今の時代、よほどの経歴がある人でないと、“おまえがゆうな”とすぐ局にクレームが来る時代です。だからこそ、レジェンドの松本人志の発言は共感や納得がされやすく、ご意見番的な存在となっているのでしょう」と考察する前述ライター。

 しかし、実績だけでは、こうはならなかっただろう。それこそ、松本が所属する吉本興業には、輝かしいキャリアを持った芸人がわんさといる。だが、全員が全員、コメントを求められるわけではない。この点については、「松本人志はテレビ全盛期にお茶の間を沸かせた経歴があるので、圧倒的な知名度を誇っています。知らない専門家より、“松ちゃんが言うなら”という安心感は大きいでしょうね」と口にする。

 そして、こうも付け加える。「結婚して夫となり、子どもができて父親となりと、松本人志のイメージは愛妻家、子煩悩など、大きく変わっています。かつ、SNSで情報を得ることに長けている若い世代は、彼のブラックなネタを知らない人が大半。それゆえ、イメージが変わるのは当然と言えば当然です。そのような背景を踏まえ、彼がご意見番になり始めたのは、番組の企画がきっかけとはいえ、ツイッターを始めたころではないでしょうか。そこで彼は自分のプライベートも見せ始め、世間とつながる窓口を開いたことが大きいかと思います」。

 松本人志のほかにも、ご意見番的存在としてコメントを求められるお笑い芸人が、情報エンターテインメント番組『情報7days ニュースキャスター』に、フリージャーナリストという立ち位置で時事ネタを斬っていくビートたけしだ。本を多数出版し、映画監督も務めと、この2人、何かと共通項が多いのである。

 「テレビと違い、映画はCM収入で成り立っているわけではないので、映画を撮っている人たちは、どこか“自分”を貫いている、という印象があるのではないでしょうか。小説家、演劇界の方々がコメンテーターになるのも、そういうイメージが大きいかなと思います。ただ、誰でもいいわけではなく、一時代を築いた実績がなければ、やはり、クレーム、炎上となってしまうでしょうね」。

  視聴者が共感しやすい方向へとイメージが変わり、レギュラー番組も多数健在。さらに、自分を貫く印象もあれば、CMのイメージキャラクターやテレビ番組でのご意見番としての松本人志の需要はまだまだ続きそうだ。(取材・文:安保有希子)