岸田文雄外相は、自身が意欲を示した「春ごろの中国訪問」を見送る意向を固めた。中国が南シナ海問題や対北朝鮮制裁に関する安倍政権の対応を不満とし、受け入れに難色を示しているため。複数の日中関係筋が20日、明らかにした。日本側は「意見が違うからこそ話し合う必要がある」(外務省幹部)と不快感を募らせている。中国は歩み寄る姿勢を示しておらず、対立が長引けば、関係改善の兆しが遠のく可能性もある。

 岸田氏は今年に入り、訪中の意向を中国の王毅外相に外交ルートを通じて打診。1月19日の講演で「春ごろの中国訪問の可能性を念頭に置き、両国関係を進めたい」と呼び掛けていた。

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