シリア停戦発効=「テロ組織」対象外―ヌスラ戦線、戦闘継続呼び掛け | ニコニコニュース

 【エルサレム時事】内戦が続くシリアで27日午前0時(日本時間同7時)、米国とロシアが呼び掛けた停戦が発効した。ただ、過激派組織「イスラム国」(IS)や国際テロ組織アルカイダ系の反体制派「ヌスラ戦線」など「テロ組織」には適用されない。停戦が順調に履行されるかは不透明だ。

 在英のシリア人権監視団によると、停戦発効後、北部アレッポなど一部の地域で発砲音が聞こえたものの、国内の大部分で静けさが戻ったという。

 米国とロシアは22日、シリア内戦に関する「敵対行為の停止」の条件で合意し、シリアのアサド政権と反体制派に停戦を呼び掛ける共同声明を発表した。アサド政権は「ISやヌスラ戦線、それに関連するテロ組織に対する戦いは続ける前提」で受け入れる方針を表明している。

 米国務省のトナー副報道官によると、反体制派の主要団体「高等交渉委員会(HNC)」や、シリアのクルド人民兵組織、人民防衛部隊(YPG)を主体とする「シリア民主軍(SDF)」が停戦を受け入れると米国に通告してきた。副報道官は26日の記者会見で「実際の成果をもたらすかどうかは分からない」と慎重な姿勢を示した。HNCは、アサド政権に対し「『テロとの戦い』を口実に攻撃を続けることは許さない」と警告しており、臨戦態勢は変わらない。

 一方、ヌスラ戦線は停戦入りを目前にした26日、指導者のジョラニ氏の音声メッセージで「停戦は恥だ。決着は戦場でつけろ」と訴え、アサド政権軍への攻撃強化を呼び掛けた。