2005年12月に起きた栃木県今市市(現日光市)の小1女児殺害事件で、殺人罪に問われた勝又拓哉被告(33)の裁判員裁判初公判が29日、宇都宮地裁(松原里美裁判長)で開かれる。幼い子供の命が無残に奪われた事件の裁判が、10年以上たってようやく始まる。

 凶器やDNAなどの直接証拠はなく、検察側は被告の自白を立証の柱にする見通し。弁護側は「事実と異なる自白をさせられた」と真っ向から反論、無罪を主張する方針で、その信用性や任意性が争点となる。検察側が示す状況証拠の評価も注目される。