和解協議、国と県対応焦点=辺野古代執行訴訟結審へ―高裁那覇支部 | ニコニコニュース

 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設をめぐり、翁長雄志知事による埋め立て承認取り消しの撤回を国が求めた代執行訴訟の第5回口頭弁論が29日、福岡高裁那覇支部(多見谷寿郎裁判長)で開かれた。同支部は和解勧告しており、国と県の対応が焦点となっている。

 訴訟では、国が代執行訴訟を起こす要件を満たしているかや、前知事の埋め立て承認に瑕疵(かし)があったかどうかなどが主な争点となっている。

 裁判所は1月の和解勧告で、暫定案と根本案の二つの解決案を提示。暫定案は、国が辺野古の移設工事を中断して代執行訴訟を取り下げ、知事の不作為行為を改めて訴える違法確認訴訟を起こした上、県と国が話し合うなどの内容。県は前向きに検討することを表明したが、国側は移設作業の法的根拠を失うため、受け入れに否定的だ。

 根本的な解決案は、県が埋め立て承認取り消しを撤回した上で、国は辺野古に建設される米軍施設を供用30年以内に返還か軍民共用化で米政府と交渉するなどの内容。県側は、辺野古の基地建設が前提となることから、応じない意向を示している。

 この日の弁論では、稲嶺進名護市長の証人尋問が行われる。

 福岡高裁那覇支部では29日、埋め立て承認取り消しを執行停止とした国土交通相の決定について、「国地方係争処理委員会」が県の審査申し出を却下したことを不服として、県が国を相手取り起こした訴訟の第2回口頭弁論が行われ、結審した。同支部は和解勧告を行うとともに、判決期日を3月17日に指定した。