ロサンゼルスで2月28日に開催された第88回アカデミー賞授賞式。『スポットライト 世紀のスクープ』が作品賞を獲得し、5度目のノミネートだったレオナルド・ディカプリオをはじめ、主演／助演の男女4人がそろって初受賞を果たした今回の各主要部門の受賞後コメントを紹介したい。
【関連記事】この結果はどのくらい妥当？意外？ 主要部門の予想をあらためてチェック！
作品賞：トム・マッカーシー監督（『スポットライト 世紀のスクープ』）
「この作品は、強い信念をもって報道を続けるすべてのジャーナリスト、そして悲惨な体験を生き延びてきた人たちのために作ったものです」
監督賞：アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ（『レヴェナント：蘇えりし者』）
「信じられません。獲得できて光栄です。この喜びを仲間と分かち合いたいです。才能豊かでクレイジーなキャストとスタッフたち。この作品に貢献してくれた一人一人に心からお礼を言います。レオ、君こそレヴェナントだ。精魂を込めて演じきってくれてありがとう。トム・ハーディや先住民のキャストの方々の信頼と才能に感謝します。私は幸運に恵まれてこの場にいるが、世の中にはチャンスに恵まれない人もいます。劇中で主人公のグラスが息子にこう言います。『肌の色で判断されて、誰もお前の話を聞いてくれない』。我々の世代はつまらない偏見を捨てる機会に恵まれているのです。差別的な考えは捨て、未来を作りましょう。肌の色が髪の長さと同じように無意味なものになる未来を。この賞は父に捧げます。どうもありがとう」
主演男優賞：レオナルド・ディカプリオ（『レヴェナント：蘇えりし者』）
「（スタンディング・オベーションを受けて）皆さん、本当にありがとう。他の候補者も信じられないくらい素晴らしいパフォーマンスでした。この映画は、努力することを惜しまない才能が集結して生み出した作品です。兄弟のような存在だったトム・ハーディ、素晴らしい演技と最高の友情をありがとう。この2年間で映画史に名を刻んだイニャリトゥ監督、あなたは信じられないくらいの才能の持ち主です。これ以上ない映画体験をさせてもらえました。これまで出会ったすべての人に感謝します。初めて僕に映画の役を与えてくれたスティーヴ・ジョーンズ、映画について教えてくれたマーティン・スコセッシ監督、業界での生き方を教えてくれたリック・ヨーン、両親と友人たち、本当にありがとう。そして最後にもう一つ、言わせてください。この作品では人間と自然の世界の関係が描かれました。2015年は史上最も気温が高かった年で、僕らは雪を撮るために地球の最南端へ行かなければなりませんでした。気候変動は現在実際に起きていることです。全人類に迫りくる最も身近な脅威への対策を、一致団結して行わなければなりません。汚染を生む大企業ではなく、人類のために行動する指導者を支持しましょう。世界中の原住民の方々や何十億もの恵まれない人々、未来の子どもたち、そして政治家の欲のために声をかき消された人々のために。素晴らしい賞をありがとう。この地球も今夜の賞も、手にして当然のものとは思いません」
主演女優賞：ブリー・ラーソン（『ルーム』）
「映画を作るには大勢の力が必要です。初めて作品を披露する機会をくれたデルライドとトロントの映画祭、この作品を世界に広めてくれたA24社、素晴らしい監督のレニー・アブラハムソン、原作者のエマ・ドナヒュー、パートナーを務めてくれたジェイコブ・トレンブレイ、本当にありがとう。あなたのおかげですべてが可能になったわ。そして実生活のパートナー、アレックス、愛してるわ。友人や家族、この作品に関わったすべての人、劇場に足を運んでくれた皆さん、感謝しています」
助演男優賞：マーク・ライランス（『ブリッジ・オブ・スパイ』）
「私は昔から物語を聞いたり演じるのが大好きでした。スピルバーグ監督と一緒に仕事ができて光栄でした。彼は愛情深い人なので、その元には最高の人々が集まります。トム・ハンクスもその一人です。この作品が評価されて嬉しいです。おかげでたくさんの人が私のセリフを覚えてくれました。トムとの共演で顔も覚えてもらえましたね。候補者の皆さんにも感謝します。皆さん、素晴らしい作品で見事な演技でした。すべての作品の助演男優に同じくらい価値があります。俳優の仕事は誇りです。どうもありがとう」
助演女優賞：アリシア・ヴィカンダー（『リリーのすべて』）
「この受賞を素晴らしいキャスト、スタッフと分かち合います。監督、私を信じてくれてありがとう。エディ、あなたは最高の共演者として私の力を引き上げてくれたわ。すべてはドリームチームのおかげです。願えば叶うと教えてくれた両親にも感謝します。ただ、それでも受賞は夢のようです」
第88回アカデミー賞授賞式ダイジェスト（字幕版）は、WOWOWプライムにて3月5日（土）20：00より放送。（海外ドラマNAVI）
Photo：本当におめでとう！ 左からマーク・ライランス、ブリー・ラーソン、レオナルド・ディカプリオ、アリシア・ヴィカンダー
(C) Sipa USA/amanaimages