台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業が、シャープが提出した将来負債となる恐れのある偶発債務の精査を近く終え、来週中に買収契約を結ぶ方向であることが3日、明らかになった。鴻海の郭台銘董事長(会長)は同日、来日した。シャープ経営陣と買収協議で最終調整に入ったもようだ。債務交渉は7日にも決着し、契約を結ぶ可能性がある。

 関係筋によると、総額約3500億円とされる偶発債務の精査はヤマを越えた。その多くは将来大きな損失が実現する可能性は低く、損失が生じる恐れのある債務は300億円程度にとどまったもようだ。鴻海はシャープ買収に意欲を示しており、「円満な結果を迎えることを期待している」との声明を出していた。