神経前駆細胞に高効率で感染=ジカウイルスで実験―米大学チーム

 ジカ熱を引き起こすジカウイルスについて、人の脳神経になる前段階の細胞(神経前駆細胞)に感染させる実験を行ったところ、高い効率で感染し細胞の死滅や分裂、増殖の停滞に至ることが分かった。米フロリダ州立大やジョンズホプキンス大などの研究チームが4日付の米科学誌セル・ステムセル電子版に発表した。

 ジカウイルスは妊婦が感染すると、胎児や新生児の小頭症を引き起こす疑いが指摘されている。神経前駆細胞の死滅や増殖率の低下は、大脳皮質の成長が妨げられる要因になると考えられる。

 研究チームは、神経前駆細胞を人工多能性幹細胞(iPS細胞)から作製した。実験で感染と小頭症の因果関係がはっきりしたわけではないが、研究が進めば感染の影響を抑える方法が見つかる可能性があるという。