【サンパウロ時事】メキシコのペニャニエト大統領は7日付地元紙のインタビューで、米大統領選の共和党候補者指名争いでトップに立つ実業家ドナルド・トランプ氏がメキシコ移民蔑視の発言を繰り返していることについて、「耳障りだ」と厳しい言葉で批判した。

 ペニャニエト氏は、トランプ氏に対し「無知な考えで難題を解決できると思っている」と反論し、外交関係が悪化しかねない発言だと警告。人種差別的な言動で有権者をあおる手法は、かつてイタリアやナチス・ドイツで独裁体制を敷いた「ムソリーニやヒトラーのようだ」と痛烈に皮肉った。

 トランプ氏はメキシコ系不法移民を「婦女暴行犯」と呼び、入国を防ぐため、メキシコ側の負担で国境に壁を建設すべきだなどと主張。メキシコでは、カルデロン前大統領やフォックス元大統領ら政界要人がトランプ発言への反発を強めている。