コンビニの菓子パンは危険!栄養なく発がん性のある添加物大量投入…子供は食用厳禁! | ニコニコニュース

「Thinkstock」より
Business Journal

 オープン戦もたけなわ、2016年プロ野球開幕も間近になってきました。ペナントを制するのはどこか。評論家各氏の予想がスポーツ紙をにぎわせていますが、パシフィック・リーグでは、ぜひオリックス・バファローズに優勝してほしいと筆者は願っています。その理由は、オリックスが優勝すれば全国の野球少年たちが日頃の自分らの食生活の間違いに気づくと思うからです。

 プロ球団はどこでも、ナイトゲームの終了後に簡単な夜食を用意しています。サンドイッチやパスタ、蕎麦、うどん類のチームが多いようですが、なんとオリックスは昨シーズンまでコンビニエンスストアで売っている菓子パンでした。

 これに対して「いくらなんでもひどすぎる」と、オリックスの選手会が不満を爆発させました。昨年12月、選手会長の伊藤光捕手が契約更改の席で、オリックスの主催するナイトゲーム後に用意している夜食について、「菓子パンが多い。栄養は大丈夫なのか」と、球団側に不満をぶつけました。

 この選手会の不満に、球団がどう対応するのか注目を集めていました。なにしろ、12球団の中でも待遇の悪さは1、2を争うといわれるオリックスですから、選手の不満など意にも介さないだろうとの見方が大勢を占めていました。

 ところが、スポーツ報知が報じたところによると、3月2日に京セラドーム大阪で行われた千葉ロッテマリーンズとのオープン戦後、選手たちのためにおにぎりやバナナがふんだんに用意され、菓子パンの姿は消えていたとのことです。シーズン中も同様に菓子パンを夜食から追放するかどうかは不明ですが、ぜひこのまま貫いていってほしいものです。

 そして、もしオリックスがパ・リーグを制覇すれば、一番の勝因は夜食で菓子パンを出さなくなったことだと報じるマスコミが出てくるかもしれません。実際にはそこまで菓子パンを取り上げることはないとは思いますが、野球少年をはじめ全国の少年たちが菓子パンの有害性に気づくきっかけになるはずです。また、野球などの試合後に菓子パンをおやつ代わりに少年たちに配っている親や指導者には、ぜひ気づいてほしいものです。

●危険な添加物が大量に投入されているコンビニ菓子パン

 伊藤捕手が憤慨したのは、菓子パンの有害性を憂慮したためかどうかはわかりませんが、コンビニで販売されている菓子パンは、一時的に空腹を満たすことはできますが栄養はほとんどありません。栄養がないものを食べて元気が出るわけがないのですから、オリックスが菓子パンを夜食から追放した結果が楽しみです。

 さらに大きな問題点は、コンビニの菓子パンには消費者に知らされない危険な食品添加物が使われていることです。

 コンビニの菓子パンの大半は、製粉大手企業が製造した冷凍パン生地を使用しています。冷凍パン生地は摂氏マイナス32.2~40度という低温で急速凍結されています。このような低温では、ビタミンや酵素のような栄養素はまたたく間に死滅します。タンパク質も変性している恐れがあり、小麦アレルギー増加との関連も疑われています。

 急速凍結ではイースト菌も凍結障害を起こしてしまうので、普通のパン製造に比べ倍以上のイースト菌を添加します。当然、イースト菌の栄養源となるイーストフードも多く必要となります。イーストフードは、コストを下げるためにリン酸化合物を使用しますが、リン酸化合物は体内のカルシウムを減らす危険性があるため、成長期の子どもは絶対に避けたい添加物です。また、発酵を助けるためにL‐システイン塩酸塩、臭素酸カリウム、乳酸カルシウムといった発がん性の指摘のある添加物が使われていますが、キャリーオーバー(原料中には含まれるが最終食品には影響が出ない)で表示はされていません。

 急速凍結の冷凍パン生地を使っている限り、これらの添加物の使用は不可避です。こうした大量生産された安価な急速凍結の冷凍パン生地を使っているからこそ、コンビニは1個100~120円という低価格で菓子パンを販売できるのです。

 プロ野球界の大御所である広岡達朗氏が西武ライオンズ(現埼玉西武ライオンズ)の監督だったとき、白米に代えて玄米を食べるように選手を指導したことがあります。精白した白米はミネラルが減少しているため、ミネラル豊富な玄米を食べなさいと食事指導をしたのです。それが西武黄金時代の基礎をつくることになったのは有名な話です。「食は人を良くする」と昔から言われていますから、覚醒剤使用等の容疑で逮捕された清原和博容疑者が広岡監督時代に西武に入団していたら、彼の人生も大きく変わっていたはずです。

 食がスポーツの成績に大きな影響を及ぼすという、いい例があります。

 1988年のソウル五輪で日本選手団は期待ほどメダルが取れませんでした。その原因はどこにあったのか、日本オリンピック委員会(JOC)がプロジェクトチームをつくり調査しました。大きな要因として、日本選手の食事の量の少なさを挙げました。なぜ、日本選手は食事量が少ないのか。レポートは、選手たちが持ち込んだスナック菓子が要因と断じました。選手村の自分の部屋に入るとすぐに、ポテトチップスや菓子パン類を食べ始める選手が非常に多く、そのために夕食を満足に食べられなかったというのです。

 しかし、この調査レポートはほとんど日の目を見ませんでした。五輪協賛スポンサーは食品企業が圧倒的に多いため、スポンサー離れを懸念してJOCが必死になって調査レポートの発表を抑えたといわれています。20年の東京五輪の食事がどのようになるのか注視したいと思います。
(文=郡司和夫/食品ジャーナリスト)