プレハブの仮設住宅は、長期の使用で劣化が目立つ。福島県では昨秋、初めてシロアリ被害が見つかった。宮城、岩手両県の調査でも基礎部分の木ぐいの腐食などが判明。各県は金属製の部材で基礎を補強するなど修繕を進めている。

 仮設住宅は被災者に一時的な住まいを提供するのが目的で、基礎は通常の住宅のようにコンクリートで固めず、工期が短く撤去が容易な木ぐいを使用している。

 福島県が昨秋に実施した一斉点検では、3344棟のうちシロアリ被害や木ぐいの腐食は234棟、472戸で判明。建物への深刻な影響は確認されていないが、基礎の劣化は傾きなどを招きかねない。474棟で木製スロープの腐食も見つかっており、「木製部分の劣化が進んでいた」(建築住宅課)という。

 仮設住宅の使用は、これまで阪神大震災の5年が最長。東日本大震災では、当初から長期使用を前提にしていたというが、福島県の担当者は「阪神の5年が念頭にあった」と話す。異例の6年目に備え、3県とも修繕の相談窓口を設けるなど対応に努める。