脳観察の試薬開発、理研や金沢大 神経回路、鮮明に見えた

 細胞などを透明化する試薬を使い、解像度の高い光学顕微鏡で観察したマウスの脳の神経回路(理化学研究所提供)
共同通信社

 マウスの脳など生き物の組織を透明にし、深い部分にある神経回路や細胞の微細構造を顕微鏡で鮮明に観察できる試薬を理化学研究所多細胞システム形成研究センター(神戸市)や金沢大のチームが開発し、10日付米科学誌電子版に発表した。

 脳神経の構造異常が関係する精神疾患の原因解明などに役立つという。

 顕微鏡で見る標本には板状のガラスやオイルが使われるが、生体組織とは、内部を通る光の進み方が違うため、標本の深部では画像がぼやける。

 チームは、造影剤に用いられ、光の進み方がガラス、オイルと同じイオヘキソールという化合物を主原料とする試薬を開発し「SeeDB2」と名付けた。