広島県府中町立府中緑ケ丘中学3年の男子生徒(15)が昨年12月に自殺した問題で、学校側が、推薦の判断材料に1年生の頃からの非行歴を含めることに方針転換したのに、保護者や生徒に伝えていなかったことが10日、同校が作成した報告書で分かった。男子生徒は1年生の時に万引きをしたという誤った非行歴により、推薦を拒否されていた。

 同校が2月29日付で作成した調査報告書によると、同校では前年まで、3年生時の非行歴のみを推薦判断の材料としていた。しかし、今年度は推薦条件を厳格化し、「3年間、非行歴がないこと」という内容に変更していた。

 条件変更は、昨年11月20日午前に開かれた教員の会議で決定された。しかし、同日午後に開かれた保護者と生徒を対象とした進路説明会では、推薦条件について「3年生の段階で不登校状態にないこと」「問題行動や触法行為がないこと」などと説明。条件変更を伝えていなかった。