広島県府中町立府中緑ケ丘中学3年の男子生徒(15)が昨年12月、誤った非行記録で推薦を拒否された後に自殺した問題で、男子生徒がクラスの雰囲気について、「どうせ言っても先生は聞いてくれない」と親に話していたことが10日、同校が作成した調査報告書などで分かった。報告書は問題の背景として、「このような思いを抱かせる不十分な教育相談体制だった」と言及している。

 報告書や遺族側の代理人弁護士によると、男子生徒は親との会話の中で、「このクラスは担任の先生に言っても聞いてくれないという空気がある」と話していた。生徒の自殺後の話し合いの中で、両親が学校側に伝えた。生徒の発言は本人の感情を表したものではなく、クラスの雰囲気を表現したものだという。

 男子生徒は昨年11〜12月、進路に関して担任教諭と計5回面談。担任はその際、教室前の廊下で「進路のことだけど、万引きがあるので推薦が難しいことが色濃くなった」と男子生徒に伝えた。これに対し、生徒が「家の人に言わないで」と答えたのを聞いて、担任は万引きがあったことを確信したという。