【結婚×アニメ・漫画】“結婚”の意味について『めぞん一刻』の「五代祐作」から考えてみた。 | ニコニコニュース

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 桜の舞う春風を感じるような、とても気持ちの良い恋愛作品『めぞん一刻』。大学受験の為に単身上京し、アパートで受験勉強に明け暮れる「五代祐作」。そんな彼がどのようにして結婚へと導かれて行ったのか、改めて思い返してみたいと思います。

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⇒五代裕作とは?(めぞん一刻)


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【※一部、ネタバレの内容を含む可能性が御座います。ご注意下さい。】

■出会い

 誰しも出会い無くしては結婚などありえません。もちろん五代祐作(以降五代くん)もある日、在住のアパート「一刻館」の管理人、音無響子(以降響子さん)と出会います。よく“一目惚れ”という言葉を耳にしますが、皆さんは経験はありますでしょうか?実際のところ私には無く、逆に漫画やドラマを見ていて「羨ましい」とさえ思います。何故、人を一目で好きになれるのか?これは人それぞれなので一概には言えませんが、彼の場合、ずばり外見がタイプだったのでしょう。恋愛のきっかけはどうであれ、まず“相手が気になる”と言う事が大事なのだと思います。

■現実

 やがて響子さんの支えもあり、大学受験にも通り、晴れて大学生になった五代くん。この作品の見所は、住人たちの横やりによってなかなか思い通りに前に進ませてくれない事です。それはもちろん五代くんと響子さんの恋愛にも及ぶ部分。ちなみに、日常生活の中で誰かと付き合うとなった時、そこまで苦労するのか?と考えれば、現実はそこまででは無いのかもしれません。しかし、壁があればあるほど恋愛は燃えるもの。という事をあえて周辺の人間を使って表しているのでしょう。

 そして、ここで五代くんは現実に直面します。響子さんの通っているテニススクールのインストラクター(三鷹)の登場です(以降三鷹さん)。五代くんとは違い、社会的にも経済的にも安定している、いわゆる“大人の男性”です。そんな彼を横目に、五代くんは一歩も引きません。現実的に見れば、三鷹さんに軍配があがりそうなものですが、この漫画はそこらの恋愛漫画とは一味違います。響子さんは若くして結婚し、そしてご主人を亡くした未亡人である事。こういった複雑な女性の心を射止めるとなれば、並みのアプローチで振り向かせる事は叶いません。

 好きだという想いは互角の両者。しかし、包容力の面では三鷹さんに分があります。そう、三鷹さんというキャラには非常に重要な意味があるのです。結婚はお金では無い。しかし生活には経済力が不可欠。そういった希望と現実をを考えさせられる部分です。

■思いの交錯

 そして物語は進み、大学生だった五代くんもいよいよ卒業を迎えます。相変わらず三鷹さんとは均衡を保ちつつも、日常の中で付いたり離れたりを繰り返す五代くんと響子さん。正直、現実ではもっと早く結論が出ます。しかし、響子さんの亡き主人への想いは強く、中々再婚へは踏み切れません。やはり辛い思いは、“時間”でしか癒せはしないのです。

 就職活動をしていく中で徐々に自信をつけていく五代くん。就職が決まればプロポーズしようと。そして表には決して出さないものの、実はそれを待っている響子さん。実は響子さんも以前から五代くんの事が気になっていたのです。この作品には数多くの名セリフがあります。中でも特に印象に残ったセリフ・・・。それは、酔い潰れた響子さんの父親を五代くんがおんぶをして歩いていた時の中での会話。

「一日でもいいから私よりも長生きして欲しい。」

この瞬間に二人の想いは硬いものになったと言えるでしょう。

■想いの末に・・・

 色々な事があったものの、ようやくお互いの意思を確認し想いを固めた二人。そしてある日、響子さんは亡き夫のお墓参りに行きます。そう、再婚の報告です。するとすでに先客が・・・。五代くんです。そしてお墓の前で五代くんが言ったセリフが

「あなたをひっくるめて響子さんをもらいます。」

 読者も含め、響子さんも思ったでしょう。本当にこの人に出会えて良かったと。経済力は普通に働けば日常の生活は得ることが出来るでしょう。しかし、人の心、想いというものはその人の持って生まれた器量によるもの。そんな中で、互いの想いが交わった時、絆を得られた時にはじめて、この人となら生涯を共に過ごしたいと感じるのだと思います。ただ、結婚はゴールでは無く、むしろ始まりとも言えます。これまでの想いを絆としてこれた二人ならば、これからどんな困難があったとしても乗り越えて行ける事でしょう。

 そして、結婚を経た二人には、愛の結晶とも言うべき子供が生まれます。春の香りと書いて「春香」ちゃん。幾多の苦難を乗り越えて授かった新しい命。この子供の笑顔だけで、これからも頑張って行けるのではないでしょうか?本当に結婚って良いものですね。

【原稿作成時期の都合により、内容や表現が古い場合も御座いますがご了承下さい】

★記者:うさぎのミミ(キャラペディア公式ライター)