「マジかよ、『なろう』最低だな」小説投稿サイト「小説家になろう」が19年続いた山形の小説講座の名称変更を求め、ファンどん引き | ニコニコニュース

特許庁提供プラットフォームJ-Plat-Patより。
おたぽる

 アニメファンにもすっかり定着してきた小説投稿サイト「小説家になろう」。今クールも、同サイト発のTVアニメ『この素晴らしい世界に祝福を!』(作:暁なつめ/KADOKAWA)が好評を博し、発行部数がアニメ放送前に比べて3倍増(累計発行部数150万部)のヒットとなっている。

 さらに昨年TVアニメが放送された『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』(作:大森藤ノ/SBクリエティブ)は、新作OVAの制作、外伝にあたる『ソード・オラトリア』のTVアニメ化が決定するなど、その存在感は増すばかりだが、一方で「マジかよ、『なろう』最低だな」と、「小説家になろう」出身の各作品のファンもドン引きのニュースが報じられ、話題となっているようだ。

 というのも11日の山形新聞にて、「第一線で活躍している作家や編集者を招き、山形市で開かれている「小説家(ライター)になろう講座」が19年間使用してきた名称の変更を迫られていることが10日、分かった。小説投稿サイトの名称として「小説家になろう」が3年前に商標登録され、商標権を持つ大阪の企業から使用差し止めを求められているためだ。」と報じられたのだ。

 記事によると、「小説家になろう」を運営する「ヒナプロジェクト」(大阪府)が、2013年に“小説家になろう”を商標登録。今月に入り講座へ使用差し止め通知が文書で届いたという。同講座は、1997年に山形県出身の直木賞作家・高橋義夫を講師として始まり、現在は文芸評論家の池上冬樹が世話人を務め柚月裕子、深町秋生、壇上志保、黒木あるじ、吉村龍一といった作家たちを輩出してきた。講座は16年度から新たな名称で再スタートし、新名称は商標登録する予定とか。

 商標をとっている限り、「ヒナプロジェクト」の手法に、特に問題はない。だが、サイト名とはいえ、“小説家になろう”という特に捻りもなく、日常的によく使いそうな文章が商標登録されていたこと、後発(「小説家になろう」設立は04年)のほうが商標とって、先にやっているところへ警告してしまうということに、ネット上の小説・ライトノベル好きは「何だか残念な気持ちになる」「商標とっているから間違いじゃないけど、先輩に対して心が狭すぎるだろ」と、釈然としない気持ちとなったようだ。

「企業としては当然かもしれないが、イメージ悪くなるよな」、「もはや言葉狩りじゃん。これから作家を目指そうというやつが、これでいいのかな」と、「小説家になろう」のマイナスイメージを心配する声や、「広告代理店の仕業だな」といった陰謀論も上がる騒ぎに。

 講座のほうは記事内で「名称は変えざるをえなくなったが講座は続く。16年度の講師も日本一豪華な顔ぶれになったので期待してほしい」と話すなど、今後も無事続けられるようなので、外野があれこれ言うべきではないのだろう。だがファン層を拡大しつつある各作品の人気や、サイトをステップに小説家になりたい! と願う小説家志望の熱意に、水を差すようなことは避けてほしいものだ。