プリプリ、みずみずしい「イチゴ」を日本画に | おいしそうな、苺 | ニコニコニュース

タイトル:いちご 7 サイズ:F4 製作:2015.1 予価:120,000円(税別・額装込)
イベニア

Art Gallery M84 第46回目展示
古賀 博『おいしそうな、苺』

今回展示されるのは、新鮮そのもので豊かな膨らみと、ぷりぷり感あふれた「いちご」を描いた日本画小作品。

個性と生命力に満ち、どれひとつ同じものが無い。古賀氏が金箔貼りした上に描いた「いちご」は、流麗であったり、ちょっと気取ったり、整然としたり、その姿はどれも艶やか。まるで人の顔や姿を見ているように実に楽しく、時間の経つのを忘れてしまうほど。

全ての作品が金箔であり、優雅で華やかな作品に仕上がっている。金箔は光の強弱、多い少ない、光の当たる方向により、様々な艶やかな表情を見せてくれる。たくさんの個性ある表情と、それぞれの巧みな動きが織りなす初個展「いちごの世界」を堪能しよう。

<作家からの一言>


「箔の技法」という講座で麻紙ボード(F4号)に金箔を貼り、金箔に映える赤と緑ということで「苺」を描くことにしました。「苺」を描き始めましたが、全く形がとれず、毎日毎日ひたすら描写するが、写実的に詳細に描けば描くほど「苺」ではなくなり上手く描けませんでした。いつも部屋中、「苺」の香りが満ちていました。何とか仕上げた下絵に着色をしていくとこれがまたどんどん「苺」から遠いものになってしまい、新鮮でぷりっとして美味しそうな「苺」にならないのです。たった一粒の「苺」が描けないのです。

何日も悪戦苦闘しているうちにふと気づいたことがあります。決して描くのが辛いとか嫌だとかいう気にはならないこと。むしろどうしたら自分のイメージする「苺」が描けるのか、探求心が強くなるばかりでした。そして、一粒の「苺」を自分のイメージ通り描けたら、これまでと異なる新しい自分の絵の世界に踏み出せる。そんな思いを胸に色々試行錯誤の上、ついに自分の「苺」を描くことができました。

「苺」にも一粒一粒の個性があり、同じというものが無く、それぞれ豊かな表情をもっており、どんなに眺めていても見飽きることがありません。処女作後、もっともっと「苺」を描きたいという気持ちが強く生まれ、「苺」を描いた絵だけの個展をやろうと思い立ち、描きあげるまで2年間近く掛かりました。ただただ新鮮でぷりっとして美味しい「苺」を描くことに集中し、出来上がった作品は、福田平八郎、京都二条城障壁画、クリムトへの想いが一つに昇華出来たようでもありました。

また遊び心で15作品は二つのシリーズでと思い立ち、絵の中に隠し文字(アルファベット)を仕掛け、シリーズAでは‘strawberry’の10文字、シリーズBでは‘happy’の5文字を表現した作品になりました。是非探してみてください。

日本画家 古賀 博

<展示作品数>


約30点(予定)

<期間>


2016年5月16日(月)~5月21日(土) 
※休館日 日曜日

<開館時間>


10:30~18:30 (最終日17:00まで)

<会場>


Art Gallery M84
(東京都中央区銀座四丁目-11-3 ウインド銀座ビル5階)

<入場料>


無料

(2016年3月13日時点の情報)