国連の女性差別撤廃要求は、単なる“反日運動”!?「日本の漫画を読んでみれば……」 | ニコニコニュース

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日刊サイゾー

 こんにちは、中国人漫画家の孫向文です。

 3月7日、国際連合女性差別撤廃委員会(以下、委員会)は、韓国の従軍慰安婦に対する日本側の対応を不十分とし、昨年末の日韓合意についても「被害者を中心に据えたアプローチを採用していない」と批判しました。

 慰安婦問題を皮切りに、性的暴力を描写したビデオや漫画の販売禁止、セクハラおよび妊娠・出産を理由とした違法な解雇、年金の男女格差など、日本の女性差別問題に対する見解を発表した委員会に、僕は大きな違和感を持ちました。これらはあくまで日本国内の問題で、国連が指摘すべき世界的に影響を及ぼす問題ではありません。さらに世界に目を向けると、より深刻な女性差別が根付いている例があります。

 2012年まで日本の漫画雑誌に掲載されていた韓国人原作・作画のバトル漫画『黒神』は、テレビアニメ化されるほどの人気作品で僕も愛読していたのですが、あるとき僕が日本の漫画原作者に「日本人が描いていると言われても違和感がない」と話したところ、彼は「あの作品は女性に対する暴力描写が激しい。その点が日本人の作品ではありえない」と否定しました。確かに作品を読み返すと、ヒロインがみぞおちを蹴られ吐血するなど、「リョナ」(女性が痛めつけられる描写)が多く、若干嫌悪感が生じました。

 儒教の影響から韓国人男性は恋愛に対し義理堅く誠実な人物が多いといわれ、そういった点に好感を持つ日本人女性も存在します。が、その半面、男尊女卑的な一面があり、夫が妻に対しDV(家庭内暴力)を行う例が珍しくないようです。韓国の女性家庭省が数年前に発表した調査によると、過去1年間に夫から暴力を受けたと語る韓国人女性は全体の45.5%にも上りました。

 また韓国人男性と結婚した日本人女性もDV被害を訴える例が多く、あくまでウワサにすぎませんが、14年に日本の女性2世タレントと結婚した韓国人歌手にもDV疑惑が取り沙汰されています。これは韓国人男性の男尊女卑な傾向のみならず、妻よりも自分の親を重んじる韓国の慣習や、結婚後に妻が家計を担当するといった日本独自の習慣になじめないことなどが原因とされています。

 世界に目を向けると、一部のイスラム系地域では、宗教上の影響から女性の社会的地位が極めて低く、医師の女性に対する診療の拒否、「名誉殺人」と呼ばれる不倫を行った女性に対する私的な殺害が公然と行われています。さらに極端な例を挙げると、ISの支配圏内で、母親が屋外で子どもに授乳していたところ、「公共の場で破廉恥な行為をした」という罪で逮捕され、八つ裂きの刑に処されたそうです。

 非婚女性が性的関係を持つことを否定するイスラム系地域では、強姦された女性が逮捕され、死罪になることもあります。現在のドイツで頻発している中東難民による性的暴行事件は、「襲われる女性が悪い」という難民たちの思考から発生するものでしょう。

 これらの地域に比べ、女性に対する差別意識が薄いのが日本。日本人原作の漫画にはラブコメ的なデフォルメ描写としてヒロインが主人公に暴力を振るう場面が時々ありますが、その逆はほとんどありません。高橋留美子氏の短編漫画『専務の犬』は、妻にばかりなつく犬を上司から預かった男の悲哀を描いていますが、この作品は「妻が最高権力者」という日本の一般的な家庭事情を象徴したものだと思います。家庭の財布のひもを握っているのは妻であるケースが多いですし、通常、子どもたちも母親に一番懐くようですね。国連は社会進出の割合だけを見て、家庭内での日本人女性の存在には目を向けていないのでしょう。

 さらに委員会の最終見解に、皇位継承権を男系男子のみとする、いわゆる「女性天皇禁止」を差別と定義し、改正を求める内容がありました。その後、日本の知人から聞いた話によると、日本では古来より「父親が皇族の遺伝子を持つ人物」にのみ皇位継承権が認められると定義され、皇族による血族結婚が行われていた時代は女性天皇が何人か存在したそうです。

 男系男子による皇位継承は、2,000年をはるかにさかのぼる時代から連綿と受け継がれた日本の文化であり、他国が干渉できる問題ではありません。日本のアイデンティティーともいえる問題を差別行為と断定した委員会側の態度に、僕は憤りのような感情を抱きます。

 今回の見解を主導した国連委員は、中国人女性だったそうです。現在の国連事務総長が韓国人の潘基文氏であることも重なり、僕は国連側の日本の女性問題に対する最近の対応を見ると、差別撤廃を名目とした政治的思惑が裏にあると疑わざるを得ません。

 訪日後、僕は日本国内で露骨な女性差別が行われている光景を見た経験は一度もありません。神話の主神が女神の天照大神であるように、古来より日本は女性を尊重する国です。今後、女性差別問題をきっかけに、国連を隠れみのにした反日国の日本に対する弾圧が激化することを僕は懸念しています。

●そん・こうぶん
中華人民共和国浙江省杭州市出身の31歳。中国の表現規制に反発するために執筆活動を続けるプロ漫画家。著書に、『中国のヤバい正体』『中国のもっとヤバい正体』(大洋図書)、『中国人による反中共論』(青林堂)がある。
https://twitter.com/sun_koubun