オシャレな30代女子はわりと死ぬ気で「こなれ感」を演出している | ニコニコニュース

オシャレな30代女子はわりと死ぬ気で「こなれ感」を演出している
独女通信

アラサー女子を対象としたファッション誌を見ているとよく目につくのが、「こなれて見える」「こなれ感を演出」「こなれ感を出す!」という独特のワード。「抜け感」という言い回しで置き換えられることもあるこれらの言い回し、ティーン向けファッション誌ではほとんど見かけることはありません。

一方、30・40代向けの女性誌では「こなれ感」なしでは誌面が成り立たないといっていいほどこのワードが頻出。一体なぜ大人女子はこんなにも「こなれ感」を求めているのでしょう?

■ そもそも「こなれ感」ってなによ?

まず、「こなれ感」とはそもそもどういう定義なのか確認しましょう。

こなれ感とは、簡単に言うと慣れた感覚のことです。


服に着られているという表現がありますがその反対で、さらりと無理なく着こなしている状態を「こなれ感」といいます。
(参照:FASHION JOURNAL CLIP

ふむふむ、要するに「肩に力が入ってない、頑張りすぎてない感じを醸し出しているオシャレ」ということでしょうか。ぴっちぴちにはじけまくりの10代、トレンド命の20代を横目に見ながら「流行は一応押さえてます。でもそこまで気張っていませんよー?」とゆったり微笑む、それが大人の振る舞い…。そんなことを考えているアラサー女子の姿が目に浮かびます。

■ なぜ大人の女は「こなれ」たがるのか?

ではなぜ女性は年齢を重ねるほど、「こなれ感」を追い求めてしまうのでしょう? その理由は2つあると筆者は推測します。ひとつは「全力でオシャレすること自体がもはや恥ずかしい年齢」だから。そしてもうひとつは「年相応に大人ぶりたい」から。

社会人になって数年経つと、私たちは「27歳らしく」「35歳相応の振る舞いを」と世間がその年齢に求める「役割」を無意識に演じて生きていくようになります。全身を今年のトレンドアイテムで無邪気に固めるなんて、もはやアラサーともなると恥ずかしくてでないのが普通。

それよりは、「肩の力が抜けて見えるけど、ほどよくオシャレ」な路線に走るほうがよっぽど「わかってる大人」に見えます。大人ですから、もちろんTPOにも合わせていきます。

そんな風に世間とのバランスを取りつつ、さらりと無理なく服を着こなしているように見せたい。そんな大人女子の自意識が「こなれ感」という言葉には体現されているのです。

■ こなれて見せるためにわりと必死です

じゃあ大人になれば自然に「こなれ」るのかというと、もちろんそんわけがありません。「こなれ感のあるオシャレ」を実践できている大人女子の99%は、陰ではファッション誌を血眼で読み込んだりインスタグラムを研究しまくったりしているはず。だって「今年らしいこなれ感」のトーンを理解できている時点で、今の流行をしっかり抑えているということですから。

こなれて見える大人女子の陰には、こなれていない自意識が渦巻いている。肩の力が抜けてる風のオシャレな大人女子を見かけたら、そう思ってあたたかく見守ってください。(小鳥居ゆき)