福島から明るい話題発信=ユニーク企業を一方的表彰―ガス会社社長が企画 | ニコニコニュース

 「全世界に向けて明るい話題を発信し、『フクシマ』のイメージを転換したい」。福島市のLPガス供給会社「アポロガス」社長の篠木雄司さん(53)は、ユニークな取り組みをしている面白企業を世界中から探し、一方的に表彰するイベントを企画し、準備を進めている。29日に受賞会社を発表する予定だ。

 東京電力福島第1原発事故から5年が経過。福島県では、農林水産・観光業などで風評被害が続く一方、風化も進む。「『福島』に対して外国では腫れ物に触るような雰囲気がある。それをプラスのイメージで上書きできればと思った」と篠木さん。世界中に知れ渡った「フクシマ」の知名度を逆手に取る仕掛けでもある。

 表彰対象は、▽社員の制服▽CM▽ビジネスモデル―など6部門で、ユニークで笑える取り組みをしている会社。社員が手分けして新聞・雑誌やネットを駆使して国内外から見つけ出し、最優秀企業を部門別に表彰。特製トロフィーと賞状を勝手に送りつけるというアイデアだ。29日は、若手社員が選考理由をプレゼンテーションする。

 篠木さんは、自分の名刺に「元気エネルギー供給本部長」と記している。原発事故後、ろうそく1万本を使って英文メッセージを世界に発信するイベントを開催。さらに県民らの思いを集めた詩集を発行、その売り上げで地元の幼稚園や小学校に遊具、本などを届けている。

 今回の試みもそうした活動の一環で、来年以降も続けるつもりだ。篠木さんは「福島が頑張り、元気と笑いを発信すれば、日本も世界も元気になる。福島の子どもたちが自信と誇りを持って『自分のふるさとは福島です』と言えるようにしたい」と話している。