仕事のストレスを根源から絶つ鍵は、人生を受け入れること | ニコニコニュース

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起業家、フリーランサー、新会社のスタートアップに悪戦苦闘している人、会社に定時出勤して働くサラリーマン、どんな職業であっても仕事をしている以上、ストレスを抱えていない人はいません。仕事のストレスとは無縁ではいられないのです。しかしこのストレスはどこから来ているのでしょうか。そしてどのように対処すべきでしょうか。

ほとんどのストレス対策ガイドは、エクササイズ、十分な睡眠、正しい食事、瞑想、デスクでするヨガなどの行動を勧めています。どれも良いことなので、実践すべきでしょう。

しかし、私はむしろストレスの根源を探ることに興味があります。ストレスによる症状を手当てするよりも、深く掘り下げて原因を解明した上で、直接それに対処すべきです。

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ストレスが生じる根本的原因

仕事でストレスを感じることをいくつか見ていきましょう。

ハードな締め切りがある 面倒な同僚や上司がいる 失業するのではないかと不安だ 今手がけているプロジェクトを成功させられるかどうか不安だ 競争、社内政治、対人関係の揉めごとがある 家族や私生活に十分な時間が取れない やることが多すぎて参っている

もっとたくさんの可能性があると思いますが、典型的な例を並べてみました。ここに並べたすべての例に関して、ストレスの原因はたった1つに集約されます。

私たちは「ものごとはこうあるべきだ」という考えに囚われています。上述のそれぞれの状況について、「こうあるべきだ」という理想があり、この理想に固執することがストレスの原因です。

仕事の不確実性について考えてみましょう。もちろん、その状況は理想的とは言えません。安定した仕事があって心配する必要がないほうが良いに決まっています。だから現実が理想(安定した仕事)と合わなくて、それがストレスを招いています。現状が気に入らなくて、この不本意な不確実性がストレスの原因になっています。

上述の例のそれぞれに同じことが言えます。同僚が自分の理想に合わないとき、過剰な仕事量を抱えず、楽々と守れる締め切りばかりになることが理想なのにそれが叶わないとき、私たちはストレスを感じます。残念ですが、こんなことは毎日、朝から晩まで起こります。しかし通常、理想と現実は一致しないので、それが私たちのストレスになり、積もり積もって健康問題になります。

ではこれにどう対処したら良いのでしょうか。一緒に見て行きましょう。

ストレスの原因に対処する

理想に固執することがストレスの原因なら、理想をもたなければいいのではないでしょうか? そうですね。それこそ理想的かもしれません。でも、だめです。理想をもたないのは不可能だと私は気づきました。私たちの活発でどこまでも希望に満ちた心には、理想がひとりでに次から次へと浮かんできてしまいます。

ストレスの原因に対処する方法には、次の3つがあります。

ストレスやフラストレーションを感じていることを認識しましょう。 自分が理想に固執していることを意識的に認識しましょう。 執着を捨てて、今この瞬間の目の前の現実に感謝しましょう。

それでは、以下を順番に見て行きましょう。

まず、ストレスを認識する必要があります。フラストレーションや不安は、何かが起こっていると教えてくれる手がかりやフラッグとして見るようにしてください。そうすれば、ストレスは何かが起こっていることを知らせてくれるので、ポジティブなものになります。電話の通知システムのようなものです。普段しているように通知を無視せず(私たちはストレスのことを考えるのが嫌です)、意識的に自分の中に落とし込んで対処しましょう。

次に、その理想に対する自分の執着を意識してください。それは、ちょっと立ち止まって「やあ、いろいろなことが理想に合わないからストレスだな。ところで、僕の理想は何だっけ?」と言うことです。もしかしたら、今あなたが体験していることより確実で、安定性があり、快適で、管理されていることかもしれません。たとえば、仕事が多すぎて参っているなら、あなたの理想は仕事量がしっかり管理され快適な状態であることであり、あなたがそのすべてを支配することかもしれません。そのほうが、あなたにはずっと確実で安定していて、快適だと感じられるでしょう。

残念ながら、快適さや安心は人生が与えてくれるものではありません。たいていはそれとは反対の、混沌として、予測不可能で、やりにくくて、不安定なことばかりです。私たちはそのせいでイライラするけれど、それを受け入れることもできます。そうしたことをなにもかも嫌うこともできれば、愛することもできます。どちらでも選べます。

最後に、この期待や理想に対する執着を解き放ちましょう。「この理想は自分の役には立たないな。ものごとがこんなふうになればいいなと固執することは、自分に害を及ぼしているようだ。これからはもっと多くの可能性に対してオープンになろう」と言ってみましょう。

それは理想的とは言えない同僚にも心を開くことです。その同僚は完璧ではなくて、自分が抱えている問題を格闘しているのかもしれません。仕事が多すぎることも受け入れられます。自分がこなせる量より多いので、優先順位をつけて当面重要度の高いものに集中すればいいのです。仕事がうまくできない可能性や失業の可能性も受け入れられます。なぜならば、そうなったとしても最終的には何とかできるはずだし、人生に問題はないのです。

執着を解くということは、人生のありかたは1つではない、自分の求める形だけではない、ありのままの人生を受け入れていいと気づくことです。嫌なことも含めてすべてを愛することを学ぶ、ということでもあります。人生や他人に対して興味をもつことであり、人生や他人をダメだと決めつけることではありません。

それから、平和になったこの場所から努力を始めます。やることが多すぎますか? 作業を1つ選んでそれをするのに最善を尽くしてください。嫌な同僚がいるんですか? その同僚が苦心していることに思いやりをもち、その人が体験していることに興味をもちましょう。その人と意見が合わないことを話すときは、思いやり深く共感を示す態度で話しましょう。失業の心配をしているんですか? 別の仕事を探す必要が生じる可能性に備えながら、今の仕事にベストを尽くしましょう。

この解決策が気に入らない人もたくさんいるでしょう。望み通りの理想が手に入らないからです。ほとんどの人は自分が望む形の人生になるように、コントロールしたがっています。そして、そのやり方でうまくいく人には、それはそれでいいと思います。

私が提案しているのは、たくさんある別の可能性も受け入れること、人生が自分に与えてほしいものではなく、人生が実際に自分に与えてくれることに対して心を開くこと、善悪を決めつけるよりも目の前に実際に起こっていることに好奇心をもつこと、すべてをありのままに受け入れるのを学ぶことです。

Get to the Root of Work Stress | Zen Habits

Leo Babauta(原文/訳:春野ユリ)