ショーンKだけじゃない! 日本人はなぜ、経歴詐称に簡単にだまされるのか | ニコニコニュース

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 ショーンKことショーン・マクアードル川上氏の経歴詐称報道は、世間に衝撃を与えた。テンプル大学卒業後、ハーバード大学でMBA(経営学修士)を取得、パリ第一大学留学と輝かしい経歴が公式ウェブ上で公開されていたが、実際はテンプル大学中退であった。海外大学にまつわる経歴詐称は、過去にも起こっている。なぜ、我々日本人はあっさりとだまされてしまうのだろうか。

「日本の感覚だと大学は“入るのは難しいけれど、卒業は簡単”というものがありますよね。ですが、海外大学はまったく逆で、“誰でも入れるが、卒業はガチガチに難しい”というのが一般的です。まずは、そのポイントをおさえるべきでしょう」(教育ジャーナリスト)

 経歴詐称としてまず思い出される人物としては、民主党の衆議院議員だった古賀潤一郎がいる。ペパーダイン大学卒業の経歴を掲げて選挙に当選するも、卒業していないのではと問題となった。公職選挙法では「虚偽事項の公表」は違法となる。卒業の事実が認められなかったため、古賀は民主党を離党し無所属で活動する旨を表明するも、除籍処分を受け、議員辞職に追い込まれた。

“サッチー”こと野村沙知代も、自著で、戦後アメリカへ渡りコロンビア大学を卒業したと喧伝していた。だが、実際は何度か講義を聴講した程度であり、ショーンKのパリ第一大学留学と同じレベルであった。

「海外の大学と聞くと、すべからく優秀というイメージがあるかもしれませんが、実際はピンキリです。さらに、通学の実態がなくても卒業できる、“ディプロマミル”と呼ばれる学位商法も盛んです。卒業証書をはじめとする証明書を出させれば一発でわかるのですから、きちんとしたチェック体制は必要でしょう」(前出・同)

 カラオケで音痴がバレない究極の方法は「誰も知らない歌を歌うこと」だ。大学においても、同じことが言えるのかもしれない。
(文=平田宏利)