子宮頸がんワクチン集団提訴へ=国と製薬会社に賠償請求―全国4地裁で6月にも | ニコニコニュース

 子宮頸(けい)がんワクチンを接種した若い女性らが全身の痛みなどを相次いで訴えている問題で、被害者連絡会のメンバーらが30日、東京都内で記者会見し、国と製薬会社2社を相手に損害賠償を求める集団訴訟を6月にも起こす方針を明らかにした。

 子宮頸がんワクチンの「副作用」を問う訴訟は初めて。全国弁護団によると、提訴先は東京、名古屋、大阪、福岡各地裁で、現在の参加予定者は12人。4月以降に説明会を開いてさらに原告を募り、早ければ6月に一斉提訴する。

 訴訟では、国によるワクチンの承認や接種費用の助成などを問題視。製薬会社には製造物責任や不法行為に基づいて賠償を求めるという。

 問題のワクチンは、英グラクソ・スミスクラインの「サーバリックス」と米メルクの子会社MSDの「ガーダシル」。それぞれ2009、11年に日本国内で承認された。

 国は10年11月からワクチン接種への公費助成を開始。13年4月からは小学6年〜高校1年の女子に接種の努力義務を課す定期接種としたが、痛みやけいれんを訴える声が相次いだ。

 このため、厚生労働省は同年6月から積極的な接種の勧奨を中止。症状を訴える人の実態や、接種と副作用との関連を調査しており、勧奨再開のめどは立っていない。

 会見には、原告となる4人が出席し、深刻な症状を訴えた。山梨県の高校2年生望月瑠菜さん(17)は「やりたいことがたくさんあったのに諦めた。たった1本のワクチンに人生を奪われて本当に悔しい」と涙を浮かべた。埼玉県の大学生酒井七海さん(21)は「国や製薬企業は私たちと向き合い、同じことを繰り返さないでほしい」と語気を強めた。

 問い合わせは全国弁護団、電話03(6268)9550。