香港の若者が独立目指す「民族党」結成、中国メディア「血迷った」「無頼」「政治的白痴」などと罵倒 | ニコニコニュース

香港の若者が独立目指す「民族党」結成、中国メディア「血迷った」「無頼」「政治的白痴」などと罵倒
サーチナ

 香港で28日、若者らが中心になって「独立」を目指す「香港民族党」が成立を宣言した。中国メディアの環球時報は30日付の社説で同党の発足を「血迷った」、「政治的白痴と批判されている」と非難した。環球時報は中国共産党機関紙の人民日報の系列紙だ。香港メディアの明報は逆に、環球時報が強烈に反応したことに注目した。

 「香港民族党」の呼びかけ人である陳浩天氏は、同党の考え方の中核は「民族自決、香港独立」と説明。香港人の利益と香港の確固たる民族意識を守るために、中華人民共和国における香港の地位を定めた「香港特別行政区基本法」を撤廃し、独立自由な「香港共和国」の成立をめざすという。

 陳氏は、現在の党員は約50人で、活動している者の半数は大専(専門学校)の在学生と説明。活動資金は党員の寄付に頼っているという。

  陳氏は香港独立について「歴史が進めば、将来的には必然的に起こる」と説明。また、党の闘争手段については議会における戦いだけでなく、街頭闘争も「有効であれば、党として手段を選ばない」と説明した。

 香港で、中国大陸部との連携を重視する「体制派」からはすでに、「香港民族党を軽視すべきではない」と警戒する声が出ているという。

 環球時報は「香港民族党」について「過激な主張は香港で義憤を呼び起こした」と紹介。さらに、香港の政党である民主建港協進聯盟の盧文端幹事会主席が「この組織が主張する香港独立は無知そのもの。仮に『政治的白痴』でないとすれば、反中国勢力に操られている。香港人の支持を得られるはずがない」と、痛烈に批判したと論じた。

 環球時報は記事の最後の部分で「香港の社会の主流が十分に強く成熟することを望む。それが、『香港独立』といった政治的無頼の形成に対処する有効な方法だ。彼らを冷たく見るのはもちろん、法律で彼らを規制せねばならない。正常で闊達な精神で、絶対的。主動的でなければならない。そしてこの小さなグループに香港の正道を攪乱させてはならない」と主張した。

 香港メディアの明報は環球時報の社説の文言を使った「共産党紙が『全地球で2つとない血迷い』と排斥。香港独立を政治的無頼と決めつけ、正常で闊達な精神で処理と主張」との見出しで、同社説の激越な論調を紹介した。(編集担当:如月隼人)(写真は環球網の30日に転載した環球時報社説の画面キャプチャー)