トルコ送還始まる=ギリシャから船、初の到着―欧州難民問題 | ニコニコニュース

欧州への難民や移民の流入抑制に向けた欧州連合(EU)とトルコの合意に基づき、ギリシャからトルコへの送還が4日、始まった。写真は移民らを乗せ、トルコに向けてギリシャのヒオス島を出航した船。【AFP=時事】
時事通信社

 【エルサレム時事】欧州への難民や移民の流入抑制に向けた欧州連合(EU)とトルコの合意に基づき、ギリシャからトルコへの送還が4日、始まった。昨年から欧州を悩ませてきた難民問題の「転換点」となることが期待されているが、移送される人々の人権侵害や、受け入れるトルコ側の準備不足を懸念する声も上がっている。

 AFP通信によると、ギリシャのレスボス島からは4日朝(日本時間同日午後)、移民ら136人を乗せた船2隻が出発。エーゲ海を挟んで約70キロ離れたトルコ西部イズミル県のディキリに到着した。また、ギリシャのヒオス島からも、移民ら66人を乗せた船がトルコへ向かった。

 ギリシャ政府の報道官は、送還対象者について「ギリシャで難民申請をしなかった移民で、大半がパキスタン人だ」と話している。ディキリなどでの手続きを経て、シリア人以外は母国に強制送還される見込みだ。一方、トルコのボズクルEU相は4日、ギリシャから送還されたシリア難民は、シリア国境に近いトルコ南部オスマニエ県に送られることになると明かした。

 EUとトルコは3月18日の首脳会議で、3月20日以降にギリシャに到着した「不法移民」はトルコに送還し、その代わりEUはトルコに滞在するシリア難民を合法的に受け入れることで合意した。「一対一」の交換条件で、受け入れ対象は最大7万2000人。ドイツ北部ハノーバーには4日、トルコから早速、交換のシリア難民第1陣16人が航空機で到着した。