身振り手振りを交えながらピッチの選手に指示を送るスコラーリ監督 [写真]=Getty Images
サッカーキング

 4月5日、AFCチャンピオンズリーグ第4節が行われ、ホームの浦和レッズは広州恒大(中国)と対戦した。ともに厳しくぶつかり合う白熱の一戦は、FW武藤雄樹が52分に挙げた得点を守り切り、浦和がホームで完封勝利。勝ち点を7に伸ばし、グループステージ突破に向けて大きな勝ち点3を得た。一方、前年度王者の広州恒大は、これで2分け2敗といまだ勝ちなし。アウェーで喫した痛恨の敗戦によって、グループステージ突破は非常に厳しくなった。  試合後の記者会見、広州恒大を率いるルイス・フェリペ・スコラーリ監督は、「浦和が1点をもぎ取り勝利を挙げたが、我々にも多くのチャンスがあり、どちらに転んでもおかしくない試合だった。浦和が先制した後は、カウンターに鋭さが増し、少し難しい展開となった。両チームの素晴らしいパフォーマンスに満足している。」とコメント。前年度王者ながら結果が出ない要因を問われると、「昨シーズンに比べて全体のレベルが上がり、得点を奪うことが難しくなっている」と認めた上で、「常に勝てるチームなどない。我々はここ4年間で2度優勝はしているが、今は難しい時期が訪れている」と厳しい表情で語った。さらに中国メディアから敗退の可能性について問われると、「何度も言うが、我々はここ4年間で2度優勝している。この功績に敬意を払うべきだ」と声を荒げる一幕も見られ、チームの置かれた厳しい現状をうかがわせた。  広州恒大は4月19日に敵地で浦項スティーラーズ(韓国)と、5月3日のグループステージ最終節ではホームでシドニーFC(オーストラリア)と対戦する。ベスト16進出の最低条件は2連勝。その上で他チームの結果次第となる。まさに“果報は寝て待て”状態だが、グループステージ4試合のように寝ている状態では勝ち上がりは厳しい。果たして前年度王者はここから意地を見せることができるのか。 文=三島大輔