小1女児殺害で無期懲役=自白信用性を認定―「身勝手で残虐」・宇都宮地裁 | ニコニコニュース

 2005年に起きた栃木県今市市(現日光市)の小学1年吉田有希ちゃん=当時(7)=殺害事件で、殺人罪に問われた無職勝又拓哉被告(33)の裁判員裁判の判決が8日、宇都宮地裁であり、松原里美裁判長は「身勝手、残虐で、被害者の恐怖や苦しみは計り知れない」と述べ、求刑通り無期懲役を言い渡した。弁護側は全面無罪を主張しており、控訴する方針。

 地裁は、捜査段階の自白の任意性を認めて供述調書を証拠採用しており、自白の信用性が残る最大の争点だった。判決は取り調べの録音・録画映像などから「自白は信用できる」と判断した。

 判決で松原裁判長は、遺体に付着した猫の毛が被告の飼い猫と同じグループとした鑑定結果や、Nシステム(自動車ナンバー自動読み取り装置)に記録された被告の車の走行記録などの状況証拠から、「被告が犯人である蓋然(がいぜん)性は高い」と指摘したものの、「それだけでは犯人と認定できない」とした。

 自白の任意性については、録画映像の中で被告が笑顔を見せていたことなどを挙げ、「供述の強要があったとは認められない」と言及した。

 弁護側は「遺体の刺し傷などが自白内容と矛盾する」と主張したが、判決は専門家の証言から矛盾はないとした。さらに「動機や殺害行為を具体的に供述し、体験した者でなければ語れない迫真性に富んだ内容」と指摘。殺人について聞かれ動揺するなどした録画映像を、「あらぬ疑いを掛けられたとしては極めて不自然だ」と評価し、自白の根幹部分は信用できると判断した。

 弁護側が「真犯人のものの可能性が高い」とした粘着テープから検出されたDNA型は、「鑑定人のものとして矛盾せず、犯人のものとは言えない」とし、主張を退けた。

 その上で、「発覚を免れるため惨殺しており、自己中心的で、結果は極めて重大」と批判した。