今月1日の三重県南東沖M6.1は「南海トラフ地震」の前触れか!? 相次ぐ動物の異変、“人工地震”疑惑も? | ニコニコニュース

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 2016年4月1日11時39分ごろ、三重県南東沖でM6.1の地震が発生した。紀伊半島の先端にある和歌山県古座川で最大震度4を記録したほか、西は山陰地方、東は甲信越までの広範囲で揺れた地震だった。大阪市阿倍野区の日本一高い高層ビル「あべのハルカス」では、56台のエレベーターすべてにおいて安全装置が作動し、緊急停止した。近畿地方では、「南海トラフ地震がきた!」と思った人も多かったようだ。本記事では、今回の地震に前兆現象が起きていたかどうか、そして、これが南海トラフ地震の前触れなのか詳しく検討してみたい。

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■宏観異常現象は起きていたか?

 まず、1日の地震に「宏観異常現象」(前兆現象)は起きていたのだろうか。実は、動物たちの異変が数件報告されていたのだ。

 三重県紀宝町では先月13日の朝、巨大タチウオ(太刀魚)が水揚げされている。タチウオは、スズキ目サバ亜目タチウオ科に属する回遊魚で、沿岸域の水深400mに生息する。一般に「深海魚」と呼ばれる魚類は、水深200mより深い海域で生きている。そしてこの日捕獲されたのは、実に通常の10倍、体長1.9mという超巨大タチウオだった。熊野灘沖に仕掛けられた定置網にかかったもので、地震の震源に近い位置に当たる。巨大地震の前にタチウオが捕獲されるケースはさほど多くない。しかし、2013年3月ごろから淡路島でタチウオがよく釣れていた直後、2013年4月13日に、淡路島近海でM6.3、最大震度6弱の大地震が発生している。

 愛知県常滑市では、地震の1週間ほど前、普段はほとんど見られないキツネが路上を歩く姿が目撃されている。車が来ても逃げることなく、ただ歩いていたという。これが前兆現象に当たると確信することはできないが、珍しい出没ということで、その可能性を否定することは賢明ではないだろう。

 また、Facebookの非公開グループ「空と大地・地震雲の会」には、地震前日の朝6時ごろに撮影された地震雲と思しき不思議な雲の写真が投稿されていた。そこには波状雲も含まれており、地震の前後によく見られる光景そのものだった。


■「人工地震」だった可能性は?

 2011年に東日本大震災が起きた際、ネット上の一部では「某国による人工地震テロではないか?」との声が上がった。さらに、海洋研究開発機構が運営する地球深部探査船「ちきゅう」が人工地震を引き起こしたという説もある。ちなみに、同船は大震災当日、青森県八戸港に停泊していたところを地震に襲われた。津波を避けるために沖合に出て、難を逃れたとされる。

 その「ちきゅう」だが、今月1日の地震発生時にも震源のごく近くに位置していたようだ。海洋研究開発機構のウェブサイトにある「現在のちきゅう」マップを見ると、3月26日から4月27日まで「南海トラフ地震発生帯掘削計画を実施中」とある。このため、ネット上では「また人工地震か?」と話題になっている。

 だが3.11の時も今月1日の地震も、本当に人為的に大地震を引き起こしたならば、自分たちは即座に危険の及ばぬ遠方へと避難するはずではないか、という素朴な疑問が残るのだ。


■「南海トラフ地震」の前触れか?

 今回の地震は、近い将来の発生が予測される「南海トラフ地震」の一部、東南海地震の想定震源域で起きたものだ。東京大学地震研究所の古村孝志教授は、「この付近では12年前の平成16年9月にも大きな地震が起きるなど、これまでも地震活動が比較的活発な地域だ。また、今回の地震の震源は72年前に発生した昭和の東南海地震の震源域よりはやや南側で、南海トラフで想定される巨大地震と直接関係するかは分からない」(NHKニュースWeb、2016年4月1日)と述べている。

 1944年12月7に発生した前回の「南海トラフ地震」、すなわち「昭和東南海地震」の時には、その前の1936年12月27日の「新島地震」(M6.3)以降に銭洲海嶺で地震活動が活発化し、1944年8月25日には新島付近でM6.4の地震が再度発生している。これらの地震が前兆地震だったという捉え方もある。また四国・和歌山・丹波山地では、1926年から1946年12月21日の「昭和南海地震」発生までの期間、地震活動が低下していたが、これを巨大地震の発生前の「静穏化現象」だったとする説もある。

 つまり、今月1日の地震を、より大きな「南海トラフ地震」の前触れとするならば、10~20年単位の長いスパンで巨大地震を警戒する必要があるかもしれないということだ。数々の高名な予言者たちが今年日本で大きな地震が起きることを指摘しているが、これが現実とならないことを願うばかりである。いずれにしても、日々の備えだけは怠らないようにしたいものだ。

(百瀬直也)


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