【レポート】パナソニック、4K VIERA発表会で「史上最高画質」をアピール | ニコニコニュース

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●「解像度だけ」の時代は終わった
パナソニックは、液晶テレビ「VIERA」の新製品として、4K対応の「DX950」「DX850」「DX770」を発表。4月8日に大阪で製品説明会を開催した。

○「VIERA史上最高」のDX950

VIERA史上最高画質モデルと位置づけるDX950は、「Ultra HD Premium」ロゴを取得した製品だ。Ultra HD Premiumは、メーカーや映画スタジオなど世界35社が参画する「UHDアライアンス」により策定。コントラスト、HDR、広色域、解像度の4領域において厳しい基準が設けられており、それを国内で初めて満たしたのがDX950となる。

バックライト部分に従来から約4倍となる多分割エリア制御を採用。また、LEDバックライトを格子状に区切って光の干渉を低減する「井桁構造」や「フラッター」、さらには「高輝度LED」を採り入れた。これらの技術により、暗いシーンでは光漏れを低減しながら輪郭をはっきりと映し出し、明るいシーンは点光源光ムラを抑えて画面を均一に発光させる。エリア独立の壁構造によって隣接光が混じりあわないため、圧倒的なコントラストを実現したという。また、新たに低輝度における色補正を見直し、黒つぶれを抑えている。

4K解像度の高輝度広色域液晶パネルに加え、LEDバックライト蛍光体に新赤色蛍光体を採用。LEDに塗布する赤色蛍光体を、従来より純度の高いもにすることで、深みある赤色を表現することができるようになった。中間色の色合いも豊かになったという。HDR規格にも対応。テレビ信号で困難だった鏡面反射光などの明るい光も忠実に表現する。

●ハイレゾ対応モデルやデザイン重視モデルも
○4K×ハイレゾのDX850

また、日本の住環境や視聴ニーズに合致した商品として、VIERA史上最高音質をうたうDX850を投入。ハイレゾ対応ツイーター、ミッドレンジスピーカー、ウーファーの3ウェイ構成スピーカーシステムによって、合計最大出力は同社のテレビ史上最大となる100Wを実現した。

スピーカーは、映像とサウンドがシンクロするように、画面両サイドに設置。ミッドレンジスピーカーでツイーターを上下にはさみ、前向きに配置した独自の「仮想同軸配置」構造により、テレビ画面中央から音が聴こえてくるような臨場感あふれる音を実現したという。ウーファーボックスには音響レゾネーターを搭載しており、低音を反射させて音を画面前へと導く。

パナソニックのテレビとして初めてハイレゾ再生に対応。テクニクスの高音質化技術を活用することで、放送番組、録画番組、ネット動画などの音声をハイレゾ相当にアップコンバートすることもできる。

配信サイトから「DIGA」にダウンロードした音源や、USBメモリーやSDカード、PCに保存した音源も再生可能。さらに、テクニクスのHi-Fiオーディオで採用しているフルデジタルアンプ「JENO Engine」を搭載し、デジタルソースジッターを削減する。発表会では「4Kテレビは画質に対する満足度が高いが、音質への評価はあまり高くない。テレビが4K化・大画面化していくなかで、音に対する新たなニーズが生まれている」と語られた。

○4K×インテリアのDX770

パナソニックの調査によると、テレビを買い替える際にテレビ台を新しく購入しない人が約半数を占めているという。4パターンの設置スタイルが選べるDX770は、様々な大きさのテレビ台に対応。スタンドスタイルを変えることで画面下にシアターサウンドシステムやシアターバーを設置できるようになっている。スタンドにはシルバーメタルフレームを採用しており、様々なインテリア空間に溶け込む美しいデザインを実現。4Kテレビにはインテリアに調和するデザイン性も求められているというニーズを反映したかたちだ。

●4Kテレビの「これから」
○2020年に向けてテレビ需要拡大

パナソニック アプライアンス社 テレビ事業部の品田正弘事業部長は、国内テレビ市場は、前年割れとなっているが、46型以上の大画面テレビの販売比率が増加傾向にあると話す。また、2016年はテレビの買い替え周期に突入。さらに、2020年の東京オリンピックに向けてアナログ停波以来の特需が本格化すると、今後の拡大に期待を寄せていた。

4Kに関しては、BS放送やCS放送での4K放送対応への準備が着々と進んでいること、NETFLIX、Amazonビデオ、ひかりTVなどの4Kネット動画事業者が増加し、コンテンツの選択肢が拡大していることを説明。また、これまではフルHDや4Kなどの解像度だけが注目されてきたが、今後は色域や輝度の基準も満たしていく必要があるという。そのためには、新規格に対応する高い技術力が必要で、Ultra HD Premium技術の開発をリードしてきたパナソニックには優位性があるとした。また「映像能力を最大限発揮できるテレビを開発し、お客様に感動を与える映像を提供することで映像文化の創出、発展に寄与していく」と述べた。

4Kテレビ市場におけるパナソニックの国内シェアは30%を超えており、トップシェアだ。2015年度は、テレビ事業の8年ぶり黒字化を目指していたことについては「ほぼ目論見どおり」として自信をみせていた。

海外戦略についても言及。今後は日本のほか欧州、中南米、アジア、インドの5地域にフィットする商品を投入していくこと、また新興国市場向けにODMも活用していくと話した。

(大河原克行)